中垣:昨日、
松田:はいはい。
ハヤカワ五味さんの謝罪の問題点、そしてクソプロダクトクソアフィリエイトクソマーケティングの「邪悪さ」について – note
中垣:なんか、あれ読んでも思うのが…まああれはあれでね、ある種のポジショントークっぽさはあるし、濁りのない週刊文春くらいでしかないのかなって印象もありはしたけど。
松田:まあまあ。
中垣:でも、とは言え思うところはあったというか、同時に六本木のブックファーストが閉店する話も思い出しててんけど…
松田:あー、うんうん。
中垣:実際の構成比率が変わってるのかは知らんけど、
灰色の男たちを目にしたときのモモの気持ちです
モモだけは、ある晩、廃墟のいちばん高いへりの上に彼らの黒い影があらわれたとき、男たちをよく見ていました。彼らはたがいに合図をしあい、そのあとなにか相談するように頭をよせあいました。声はなにも聞こえませんでした。けれどモモはふいに、これまで味わったことのないようなさむけにおそわれました。ぶかぶかの上衣をいくらしっかりとからだにまきつけても、むだでした。ふつうのさむさとはぜんぜんちがうものだったからです。
Source: ヒャエル・エンデ(2005)『モモ』岩波少年文庫
松田:うんうん。
中垣:このあいだ六本木を歩いててんけど、周りを見てもほんまにユーチューバーみたいな人ばっかりやねん。太っててユーチューバーっぽい格好をしてて、それでなんとかなっていると本人は思っている人みたいなさ。
松田:あー、それはちょっと分かるかもな。
中垣:なんて言うのかな、全てがユーチューバー化しているというか、
松田:うんうん。
中垣:表現はザルいけど、全てが薄っぺらくなってると思うねんな。
みなと:なるほどね…
中垣:要はここ最近言っている、
—— 若者世代の不安もあるのではないでしょうか。先行きが見えないからこそ「老後2000万円とか無理だし、今ワンチャン一発当てとけ」と。
若い人たちに言いたいのは、皆さん一体何が目的なんだ、ということですね。
金融市場からすれば、僕たちは競馬の馬なんですよ。
確かに1番になれば莫大なお金が入ってきます。でも残りの99人は負けて終わりです。
投資している側からすれば、ポートフォリオを組んでいるだけだから、100個に投資して1個当たればいいのです。だから、何かのきっかけで『鬼滅の刃』みたいにポンと大当たりが出るかもしれない。その可能性に「ワンチャン」賭けて、同じようなコンテンツが無数につくられていてもかまわない。
しかし、投資されている側であるクリエイターは100人中99人が死ぬ。自分の人生には、ポートフォリオは組めないのです。
本当は全ての人がお金儲けをしたいわけではないはず。その目的をはっきり自覚すれば、好きなことで生きていく方法はいくらでもある。でもそれを真剣に考えないから、みんな本当は馬なのに、投資家の発想になって「ワンチャン一発!」という考えになってしまうのです。
Source: BUSINESS INSIDER
新著『ゲンロン戦記』が異例のヒット…東浩紀氏に聞く「インターネットの失われた10年間」 – BUSINESS INSIDER
みなと:うんうん。
中垣:あとは今日menuを使っててんけど、あのクーポンばら撒きにしたって意味が分からへんやん。
松田:うん、ちょっと気持ち悪いよね。
中垣:そうやねん。だいたいあれ、
リーンですかそうですか
エリック・リース(2012)『リーン・スタートアップ』日経BP
松田:うーん、確かにね。
中垣:違和感がすごいよ、おれにはほんまに分からへん。
何でも無料のインターネットは、「商業道徳」を無視しすぎている – PRESIDENT Online
松田:なんかさ…
中垣:そう、そうやねん。そこがポイントやと思うねんな。
松田:だから言うたら、お金を稼ぐことにフォーカスできてる反社の方がしっくりくるまである。
中垣:うん、ほんまそうやと思う。なんやろう…
松田:うんうん。
中垣:都合良く組み合わせた何にも焦点の当たっていない動機を、そのことに自覚的でないまま信じてるねん。
松田:うん。
中垣:なんか…普通に怖いもん。前に送ったニューズピックスの漫画を見たときも思ったけど、ほんまに怖い。
松田:あの漫画はやばかったよね、動機が謎過ぎるもん。
こんなんバルクオムの広告と変わらないんだよな
【マンガ】自分の問いを見つけて、一歩を踏み出すには – NewsPicks
中垣:まあね、もちろんあの渋谷キューズの登録者数を増やしたいんだろうし、あのマンガで実際に増えはするんだろうけど…それでどうすんの?って思うよね。
松田:あれやね、
中垣:いやぁ、ほんまそんな感じやんね。
松田:六本木の蔦屋で「禅・マインドフルネスとサウナ」の棚を見たときの気持ちもこれに近いね。まああれは結果として悪くなかったからともかく、なんでそんなことを言い出すのかが分からへんねん。
“Simple can be harder than complex: You have to work hard to get your thinking clean to make it simple. But it’s worth it in the end because once you get there, you can move mountains.”
― Steve Jobs
Source: goodreads
Quote by Steve Jobs – goodreads
中垣:そうやんな。なんかユーチューバーとテレビについて考えるとさ、かつては資本と知見のあるテレビでしかできなかったことが、テクノロジーによって誰にでもできるようになって、その結果小粒な人が小粒なことをしまくる感じになっているというか…
テクノロジーはね、手段を与えてはくれても、目的は与えてくれないんです。
松田:はいはい。
中垣:あるいはこれは、スタートアップと大企業との対比においても言えるんかもしれんけど。
松田:あれやんね、何かが支持されている状態について考えたとき、今のそれって小さい支持が無数に集まった結果のものなわけやん。だからこそ
中垣:なんか、競争がクソってピーター・ティールが言うのも、要はそういうことなんやろうと思うねんな。
松田:いやほんまその通りで。
Americans mythologize competition and credit it with saving us from socialist bread lines. Actually, capitalism and competition are opposites. Capitalism is premised on the accumulation of capital, but under perfect competition all profits get competed away. The lesson for entrepreneurs is clear: if you want to create and capture lasting value, don’t build an undifferentiated commodity business.
Source: Peter Thiel(2015)『Zero to One』Virgin Books
Peter Thiel(2015)『Zero to One』Virgin Books
中垣:かつてのキャッシュレス決済サービスとか、今ならフードデリバリーサービスとか、完全にそういう感じやもんね。で、ユーチューバーもスタートアップもそれと同じことをしてるんやと思うねん。
松田:せやねん。みんな意味不明なKPIを追って、そのためにPDCAを回し続けてるっていう笑
どういう投稿が伸びるのか日々模索する、インフルエンサーとかいう高度情報化社会の犠牲者のことです
中垣:
2021年3月15日
Clubhouse
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