かのこ:まあ私も、
かのこ:…それで私は何が言いたいかというと、結婚という制度をよく考えたときにさ、まず現代において結婚で階級上昇をするなんてほとんど無理で、だいたいみんな同じ学歴の相手と結婚して、だいたいは共働きになるわけやん。
松田:はいはい。
かのこ:それで専業主婦/主夫に対する控除って、どちらかの年収が103万円以下じゃないと受けられないわけ。
松田:うんうん。
かのこ:だから結婚という制度のメリットは、夫婦のどちらかの年収が103万円以下のときにだけ生じるものなの。
みなと:なるほどね。
かのこ:それ以外のメリットって特になくて…だって子供は認知さえすればいいし、遺産は遺言で指示すればいいし。逆に夫婦は同性になるとか、めんどうな制度の方が多いわけ。
Source: commmon
松田:うんうん。じゃあかのこはどういう結婚観…じゃないね、危ない。
みなと:難し過ぎでしょ笑
松田:さながら言葉の地雷原やね。
かのこ:
松田:ちゃうやん、それはあなたが異性愛者であることを前提にしているわけで…
異性愛者であることは知っていましたが、よく考えたら同性愛も含めたそれ以外の性的指向がどうなっているかについては存じ上げておりませんでした。すみませんね。
かのこ:いいよ、今は上野先生に毒されてるだけだから。実際、私もこの本を読むまでは結婚論者だったんだけど、彼氏が「え、結婚は無理じゃない? できないよ」って言い出して…
c 上野千鶴子(2020)『近代家族の成立と終焉 新版』岩波現代文庫
松田:あー、カルティエを買ってくれない院生の彼氏ね。
かのこ:そうそう。それで「なんやこいつ」とか思っとって、「30歳過ぎたらそのときは結婚するかも…よ?」みたいなことをおりに触れて言ってたんだけど、
みなと:その…そもそも結婚したいって思ってたのはなんでなの?
かのこ:やっぱ憧れがね…
どっちにしろただのミーハーやん…
みなと:なるほどね。
かのこ:それで、子供は認知しようって言って。
松田:てことはさ、自分で食っていくつもりなん?
かのこ:…立っていないです。
みなと:だめじゃん笑
松田:笑
お前はわらうな
かのこ:でもさ、結婚して10年くらい経って「やっぱこいつ無理やわ」ってなって、そのときにいい感じの人がいたとしてもさ、そこで離婚しようってなったら財産分与とか結構大変やし…
松田:はいはい。
かのこ:だから、どこまでがどちらの物かっていうのを最初からはっきりさせておいて、別れたいときはさっと別れる方がいいかなって。
松田:いやだから前に言ってたのはさ、「何があってもこれは約束だからな」って言って、
中垣:目黒で山原とルームシェアしてるときもそれは思ったな。2年っていう短い期間でも、それが誰であっても、確実に一緒にいることを想定できることで判断しやすくなることってあると思うわ。
松田:あとはだからこそ、意気投合している限りにおいてというのではなく、ある種の契約として一緒にいることに決めるのにも、一定の意義はある気がするねんな。
中垣:うんうん、そうやと思う。そう考えると結婚も結構肯定的に捉えられる気がするよね。
みなと:なるほどね。
Source: commmon
かのこ:それを国家の下でやらなくてもいいんじゃない?
松田:ちゃうやん…まあ別に国家の下でじゃなくてもええはええけどさ。
みなと:でもそうなると、
かのこ:そうだよ、だから全部書くんだよ。
個人を単位として矮小化し過ぎやねん。近代かよ
c 言葉の意味
松田:だからさ、
みなと:そうそう。なんかさ…これ会社に入ってからすごく思ってるんだけど、商慣習みたいなのってあるじゃん?
松田:はいはい。
みなと:それでうちの場合は、思ったより契約書みたいなのがないのね。まじで商慣習で成り立ってるというか。
かのこ:へー。
松田:し、そういうのって結構悪くないと思うねんな。
みなと:そう。さっきの全部契約書に書いちゃったら…っていうのはまさにそういう感じで、
マット・リドレー(2013)『繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史』早川書房
松田:うんうん。
みなと:ビジネス上のことはもちろん、生活上のことにも瑣末なことはたくさんあるからさ。
かのこ:確かにね。私が親のカードを使ってAmazonで買った物は財産分与でどうなるのかとかね。
松田:なんやねんそれ、なんでそんなことしてんねん笑
みなと:笑
松田:だいたい離婚のときの財産分与が大変とかいうけど、
かのこ:まあそうね。
みなと:お互いに暗黙の了解として「ここまではやらなければいけないよね」っていうのが決まっている感じというか…結婚もそういうことだと思うんだよね。
かのこ:うーん、なるほどね。いやー、今日ここに来た理由は、ここの人達を結婚否定論者にすることだったはずなんですけどね。
松田:それを言うなら、
みなと:
当たり前なのである
かのこ:結婚という制度が便利だから、しゃあなし使ってやらんでもないみたいな…?
みなと:いや、そもそもあの話は中垣から始まったと思うんだけど、中垣としても自分が結婚をするかはさておき、もっと遠くの世界の話として、結婚を肯定し得るのであればああいうことも言えるんじゃないか、って話だったんじゃないのかな。
かのこ:あ、そういうこと? じゃあ仲間じゃん。
松田:笑
みなと:それよりもっと前に結婚をする意味が分からないみたいな話もしたことがあるけど、みんなベースはそっちだと思うよ。
松田:まあそらな、できることならしたくないよな。ただそれは年金を払うのが嫌みたいな話で…
みなと:笑
松田:そら年金なんて払いたくないけど、でも世の中そういうことになってるしっていう。
かのこ:いや、だからそれがだめなんですよ。
松田:あー、まあそれはそうやね。それはもっともやねんけど…
みなと:笑
松田:でもかのこの言うことは分かる。確かにね、あらゆる一挙手一投足はn分の一ずつ世界を決定しているっていう話はあるよ。
かのこ:ありがとうございます…いやまあ、そこまでめんどくさい世界に住みたくはないけど。
みなと:なんでだよ、お前そこから逃げんなよ笑
かのこ:
松田:笑
かのこ:しかも無就労の私が結婚したくないってね、
みなと:笑
2021年4月18日
Caffè & Trattoria Michelangelo 広尾
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