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無駄がなくかつ豊かなコミュニケーションの方法

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会ったこともない人を一方的にディスった前回を反省し、建設的で誠実なコミュニケーションのあり方について考えます。

中垣:だから、そういう人にそういうことをさせないためには…どういう空気があればいいのかなって

白濱:高校のときの友達の一人が「みんなで山行こうぜ」って企画をしてそれにのった形で、だから僕の知らない人も来るの。

中垣:うんうん。

白濱:それで、その日程がどうとか持ち物がどうとかについて、参加者全員がいるチャットで質問するやつがおり、それに対して結構こう…こういう感じでレスをするやつがいたのね。

松田:こういう感じね笑

白濱:まあなんだろうな…「え? それもうノートに上がってるじゃん?」みたいな仕事的なスタンスの、「先に手前で確認してからレスしろよ」っていう思想に基づいた、ちょっと嫌味っぽいレスだったの。

松田:はいはい。

白濱:それで質問をしてきたやつにはノートを丸々コピペして送るみたいなことをやってて、「おいおいやってんな…」って感じだったのね。

松田:笑

Source: commmon

c プライベートでも仕事みたいなノリのやつ、まじなんなん?

白濱:あー、そうね。

松田“““否定しない”””やね。

中垣:笑

白濱:まあ確かにな、どうやったらそいつに分からせられるかか…いや、まあむずいな。

もう直接言えばいいじゃん

中垣:でもまあ、その場にその人がいて安心できるような…ちょっとそんな言葉しか出てけえへんねんけど、自分がそこにいることを確かめる必要がない空気は大事というか、そういう場では人はそういうことは言わないよなって

白濱:あー、なるほど。

松田:そうやんね。だから例えば…そいつにとって「それはないだろう」っていう他の人のスタンスなりアイデアなりが場において肯定されて、それと同時に、それとは背反だと思っていた自分のスタンスなりアイデアも肯定されたら、「…あれ? なんかピースかも」って思ってくれるかも。

中垣:まあ確かに。

松田あなたがそう思っている限りにおいては、それがなんであれその事実は肯定する、じゃないけどね。

中垣:うんうん。

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相手の人格への誠実な興味から前判断的に話を聞くことは、あらゆる人間関係を良好に保つ秘策であり、また井戸端会議での会話が「聞く」技術の洗練された一例として取り上げられている点において、今回の記事の実践編と言うこともできるかもしれません。

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白濱:まあむずいな。昔からそういうムーブをとってきたというか、自分が帰属している集団の行動規範だけが正しいと疑ってこなかったのなら、そもそも論理的に説明しても解決にはならないから…

中垣もしかすると本人としては、そんなイキってるとかじゃなかったのかも。普通に「え、ノートに書いてあったよ」くらいのノリで送っただけで、別にそこに優越感とかはないし、細かいことは気にしてなかったのかもしれない。

白濱:あー、なるほどなるほど。

松田:ドアスペ野郎やんけ笑 それもうどっちの方がタチ悪いんか分からんな。

中垣:笑

白濱:まあでもそれでいくとさ、余暇コミュニティでは参加者の主観的幸福度の最大化が目標だとするならば、なんの考えもなしにペッて送られたノートに対して「あ、こいつやってんな」って受け取り手が思った時点でアウトだよね。

中垣:うーん、だからもうコミュニティが合ってないってことやね。もっとアメリカンなコミュニティにいるべきやったね。

松田:アメリカがそれなんかは知らんけど笑

中垣:うーん…でもこの話は正直どっちもあるな。そんなことを言うそいつもそいつやけど、それに対してやられたみたいに感じちゃうこっちもこっちというか…

松田:それはおおいにあるよね。

白濱:え、どういうこと?

中垣:だから別に…いいじゃないですか。ノートをそのまま送られても、「あ、これ見ればいいのね」とだけ考えて「あざーす」っていう、そういうシンプルなコミュニケーションでもいいわけじゃないですか

白濱:あー、そうね。確かに、僕がうがって見ているだけなのかもしれない。

中垣:最近、コミュニケーションにおける無駄なコストについてすごく考えてるんですよ。それこそ敬語とか気遣いとか、そういうのにすげえむかついてるんですよね。特に会社でコミュニケーションしてるとそうですし。

白濱:はいはい。

中垣:それで…まあアメリカのことばっか言ってもあれやけど、やっぱりアメリカってざっくりしてて、褒める気もないのに「そのフリース、とってもクールね」みたいなことを言ってくるわけですよ。ああいう感じはやっぱいいよなって。

白濱:うんうん、確かに。

中垣:だから例えば、日本語が苦手な留学生がそのライングループの半数を占めていれば、もう文面や敬語の使い方が多少どうでも、そこに悪意があるのかなんて分からないじゃないですか

白濱:うんうん。

中垣:つまりアメリカと同じように、コミュニケーションの芯にしか意味がなくなる感じがあるというか

白濱:あー、なるほどね。

松田:それはすげえ思うな。「同じ」とか「違う」が期待できないほどに多様性があると、ほんまにもう芯にしか意味がなくなるよな。

中垣:そうそう。「それがAなのかBなのかだけ教えろ」みたいなね。

松田:なんか今日それをすごい感じてんな。2~3日前にチェーンを買ってそのときにカードで払ってんけど、その翌日に電話があって「サインをもらうのを忘れたからもう一回サインしに来てほしい」とか言われて、そのために表参道に行っててんけど…

マイブーム:チェーン

c シェーヌダンクル、実はMMがお得っていう…

白濱:はいはい。

松田:で、「PDFでサインを送るのではだめなのか」と聞いてもあかんらしくて、最初は結構むかついてたんですよ。ただ途中からは、「とは言え一般的な客商売とは違って業者向けのところやし、まあその辺はお互い様でええかな」ってスタンスにシフトできたんですよね。

中垣:あー、なるほど。

松田:そのスタンスを作れたら結構楽になったんですよね。だって…仮に下から下からで「大変恐縮なんですけど~」とか言われたとて、行くのが面倒なのが変わるわけではないし、でも相手としてはどうしてもサインが必要で、一方で僕としても今後もよろしくチェーンを買いたくて、じゃあもうお互い対等に融通し合うのが建設的ですよねと思えたというか

中垣:確かにな。

松田:それを前提とするともはや字面はなんであれ、お互いにとって最も重要なことのみを明確にして、それに基づいて行動を決定できるようなコミュニケーションがとれるわけやん。

中垣:あれやんね、「物が来て金を払えばいいんだ」みたいなね。

白濱:はいはい。

松田:こういう対等さって、多様過ぎるがゆえに芯だけに意味があって、その意味においてのみはお互いがフェアなアメリカのそれにも通ずるのかなって。

白濱:なるほどね。

中垣要は西濃運輸ってことやんね

西濃運輸

松田:そうそう笑 あれにむかつくのは、自分はお客さんだって思ってるからやん。

中垣:そうやんね。

西濃運輸用にフェイクの法人名を持っておく、ギルティーライフハックです

白濱:なるほどね。じゃあその主義にのっとると、さっきの彼への正しいレスは…特に何も考えずに「thx :)」だったってことなんだろうね

松田:まあそうですね笑

中垣:でもほんまにそんなもんな気がするな。

松田:だってね、ノートのコピペのレスを見て「おいおい…」って思ってるときの自分って、結局はそれと背反な側の思想を排他的に信じているわけで、しかもそれを、相手も信じているべきだというふうに思ってるわけじゃないですか。

白濱:そうね。

松田:だから相手は相手として、情報を教えてくれたことについてのみ「サンキュー」でいい気がしますね。

白濱:確かにそれは良いライフハックかもしれないな。情報の体裁ではなく、内容だけを受け取って会話すればいいっていう

c アレな人が社会で上手くやる方法

中垣:でもまあ根本的には、やっぱり多様性がもっと必要だと思うんですよね。もっとバグった人とか、あるいは普通にバックグラウンドの違う人とかがいて、できるだけ均質でないムーブをみんながしていないと、どんどん窮屈になりますよね。

白濱:それはさっき言ったようなコミュニケーションを普及させる打ち手としての話だよね?

中垣:そうです。だから密かな抵抗として、会社のチャットでたまに敬語外すみたいなことしてるんですよね

松田:笑

白濱:おもろい、なるほどな。

松田:あー…分かった。チャットアプリでさ、入力した内容に対してある程度の振幅でニュアンスを勝手にブレさせて送ってくれるやつ、これを開発したらええやん。期せずして丁寧になったり、あるいはやんちゃになったりするねん。

中垣:なるほどね笑 でもほんまに、なんか会社のチャットでは「おつかれさまです」って言うとか、カレンダーのインビテーションでは「〇〇さん、中垣です」って書くみたいなマナーがあったりするねんけど、そんなあほなことあるかと思うわけ。

松田:うんうん。

中垣:「〇〇さん」も「中垣です」もいるわけないねん。Google カレンダーやねんから、そんなん〇〇さんと中垣なのは分かってるねん

白濱:笑

中垣:それにインビテーションの中身だって毎回一緒やねん。「〇〇についてご相談したいので何時から~」って…いや、時間も最初から書いてるねん。だからもうタイトルだけ分かるように書いて、あとはそのまま送りつけたらいいんじゃね?とか思ってて。

松田:それちゃんと実践してる?

中垣:最近は内部ではそうしてるし、外部の人にも「おつかれさまです、都合が悪ければ教えてください」くらいにしてる。そういうの、できるだけちゃんとやっていこうと思って

うーん、えらい

松田:うん、それは結構いいことやと思う。

白濱:笑 確かにちょっとおもろいな。

中垣:ただこれの弊害は…お笑いがおもんなくなりそうですよね。コミュニケーションが均質化することで、特定のコンテクストに頼った、ずれの妙を楽しむみたいなのはなくなりそうというか

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これに収録されている『肩の上の秘書』はそういうノリがあるね

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白濱:あー、はいはい。まあカルチャー全般がそうだよね。

明石:ところがそのアジズ・アンサリが、#MeTooの中で叩かれたんです。これに対しては世論も分かれたんですが、結局彼は一度休業したというか、表舞台から姿を消したんです。

明石:その後復帰はしたんですが、休業前にマディソンスクエアガーデンを埋め尽くしたときのコメディと、復帰後のものを見比べてほしいんですよ。どちらもNetflixにあるので。

明石:大変申し訳ないけど、やっぱり休業前の方がおもしろい。復帰後は明らかに、何かに遠慮しながら、あるいは怯えながらコメディをやっていて。

Source: commmon

c ポリコレ時代のカルチャー像

中垣:うん。だって…まあ侘び寂びがそれかは知らんけど、「この器のここがこうなんです」みたいな、そんなん内輪じゃないと分からへんやん。

松田:うん、確かに。

中垣:だから、それこそアメリカのファッションにしたって、別に彼らおしゃれではないやん

松田:確かに、そういう細かい洗練はないよね。

中垣:それで言うと、今月のポパイがスナップ特集だったんですけど、それを見ててもアメリカと日本の着こなしの違いってすごくあるなと思うんですよね。

コトハ:うんうん。

中垣:日本ってやっぱりミクロのゲームを極めた服装が多いんですけど、一方アメリカは大味で色味とかバグってて、でもなんか良いんですよ。

Source: commmon

c モードと装いの東西

中垣:まあでもね…言いながら自分は排他的なコミュニケーションを取りがちで、そこがつくづく嫌にはなるよね。

松田:あー、分かる分かる。でも難しいところでさ、そこで言う多様性が極端になると、言ってしまえばコミュニケーションの可能性はなくなるわけやん。

中垣:まあそうやんね。

赤ちゃん、ギャル文字を使うギャル、中華フォントでたどたどしい日本語の留学生、全部ボイスメモで送ってくるやつ、一週間に一回しかライン開かんやつ、などなどからなるグループ…

中垣:でもなんか、仮に自分が店をやったとして、来た人に居心地がいいと思わせる自信が無くない?

松田:うん、無いね。

中垣:逆に自分が居心地がいいと思ったお店もほぼない。

松田…スターバックス笑

白濱:笑

中垣:そう、結局そうなっちゃうのよね。あるいは…本郷のあそことかは?

松田:たまやか、確かにあそこはそうかもね。

中垣:なんかね、やたらと馴れ馴れしいおばはんがいるとこなんですよ。

白濱:はいはい。

中垣:あとはまあ、ビックカメラとかは居心地いいけど

でしょうね

松田:笑 でもまあスタバとかその辺はさ、どこまでいっても超優秀なペッパーくんみたいな世界であって、今言っている理想とはちょっとちゃうよな。

白濱:じゃあそのたまやもしかりだけど、どういう人格であればそういう雰囲気のお店ができるんだろうね。

中垣:うーん、まあ口が上手いなとは思いますよね。半分キャバクラみたいなところはあるというか…

松田:はいはい。

白濱:ちょっと思ったのは…例えば世の中にはびっくりするくらい図々しいようなやつっているわけだけど、そういうやつの言っていることって、コミュニケーションの芯の周りについているものに関しては、そのボリュームは誰でも検知できるわけじゃん

松田:あー、うんうん。

白濱:「こいつ伝えたいこと以外の装飾がえげついな」みたいな。で、そうなったときって「口調とかはいったん置いておいてコミュニケーションの芯にだけ注目すればいいんだ」ってスタンスに切り替えられるんだけど、それが最初に発生すればいいのかもね

中垣:あー、それは分かる。確かにな。

白濱:千原せいじとかね。

松田:なるほど、確かに笑

https://www.youtube.com/watch?v=ODLGnjL2zO8&t=326s

中垣:うん、やっぱそれなんじゃね? だからもう全部言っちゃえばいい。例えば相手の履いてる靴が変やったら「それはなんか違くない?」って言っちゃう、そっちの方がお互い居心地良いもん

松田:あれもこれも全部言うようにしたらね、もう言われる方も全部真面目に取り合ってなんていられんもんね。

白濱:笑

中垣:でも普段やったら上から下まで見て…こんな感じやん?

代々木上原の飲食店に一見さんが入ってきたときのあれ、熱演でした

白濱:笑

中垣:だからおれはそれの実践として、 ピー ちゃんが付け襟を買って「事故る可能性あるから気を付けないと~」ってインスタに上げてたのに「既に事故ってんで」ってコメントして…

白濱:あー、言ってたそれ笑 「まじで最低なんだけど」って、その後に僕にライン来たもん笑

2021年5月14日
中国茶房8 恵比寿店