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ライフハック 思索

ご飯は一人で食べるのが一番美味しい

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中垣:このあいだ会社の同期会でご飯の話になってん。「友達と食べてる方が楽しいじゃん」って

松田:うんうん。

中垣:まあそういう話ってあるやん。でもおれ、そういうの全然ないの。友達と食べて楽しいのは、それは友達とおるから楽しいんであって、別にご飯がなくても楽しいねん

松田:うんうん、そうね。

中垣:飯はおれ一人で食うのが一番楽しいねん。ご飯の美味しさを100%享受できるのは一人で食ってるときやねん。まあ仲いい友達と食べてるときは、一緒にいて楽しいとかではなく、ご飯に100%集中して食べられるから、それも別にええねんけど。

松田:うんうん。

中垣:だからご飯のシェアもすごい嫌い。おれはおれの食いたいもんを食いたいし、それがおれの幸せやねん

すぐご飯のシェアをしたがるやつは、ポイントカードいっぱい持ってるやつ、ホテルのクラブラウンジにずっといるやつ、しょっちゅう「興味深い」URLをシェアするやつらと同じ…つまり、機会損失を恐れるあまり本当に大事なことに一生コミットできない、「損をしたくない」人なのです。

c 電車でシートの端に座る人間は大成しない

中垣でも、その同期会にいた女の子は「一人でUberEats食べるときは虚しくて仕方ない」って言うねん

松田:笑 かわいそう。

孤独は最高のラグジュアリー

中垣:で、そこにいた男二人は「一人で食べるUberEats最高じゃない?」って。でもその子は、人がいるからご飯作ろうと思うみたいで、一人でいると自炊もあんましないって

松田:へー、そうなんや。

中垣:おれ一人でご飯作るの超好きやけどな…とか思ってんけど。

松田でもおれもね、確かに彼女と一緒に食べるご飯の方が美味しいねん

中垣:…ほんまに?

松田:ただ、ここで言う美味しいっていうのはやや話が違って、別に一人で食べているときでも、味への感度をMaxまで高めることはできるねん。

中垣:うんうん。

松田:ただ、そもそもおれは彼女とおるときじゃないと食事に興味が持てないねん。基本的にご飯に興味がないから

ドッグフードさえ食べていればいい犬が羨ましい

松田:でも彼女とおると、彼女は食事が好きとか、それ以外にたいして共通の話題がないとかの条件があって、積極的に食事を楽しむことしてる。

中垣:はいはい。

松田:でも別に、一人でおってもMax楽しむことはできるねん。みんなも案外そうで、人と一緒におることが食事に誠実な興味を持つ条件になってるんじゃないかな

中垣:それはちょっと思った。

松田:そこでさ、なんで人と一緒にいるときの方が積極的に美味しさを見出せるようになるのかって話やねん

中垣:「楽しい」と結び付いた「美味しい」じゃなくて、ほんまに美味しく感じられるのはなぜかっていう話やんね?

松田:そうそう。例えば中垣がサンドイッチにはまって毎朝作ってたときって、サンドイッチに誠実な興味を持ってそれをやってたわけやん。でも普通の人は、普段はそういう誠実な興味を物事に対して持っていないと思うねん

中垣:はいはい。

松田:だから、人と一緒にいて楽しいっていうのがまずあって、それで世界に対する漠然とした肯定的な認識が生まれて、そこで初めて自分の目の前の食事に興味を持てるようになるんじゃないかって。

中垣:それはあるんかもね。確かにありそう。

松田:この理屈には結構思うところがあって、世の中の人は、世界に対するポジティブな認識をたいして持っていないと思うねん

c 小さな喜びを拾えるようになろう

中垣:うんうん。ネガティブな認識ってわけでもなく、やんな。

松田:そうそう。価値判断以前に、そもそも積極的に価値を見出そうとしていない。でも友達と一緒にいるとか、それこそディズニーに行くとか、そうやって世界へのポジティブな認識を得られる機会っていうのは全然あって、そこで初めて世界への感受性が花開いてるんじゃないかって。

ディズニーランドってすごいよね。23歳で初めて行って超感動した

中垣:ありそうありそう。

松田:それで言うとおれは、やっぱりご飯は一人で食べると美味しくない…というか興味を持てない。それよりももっと興味があることがあるから、そっちの方が気になってる

中垣:あー。

松田:でも彼女とおるときは、自分の好きな物のことばっかり考えてるわけにもいかんから、そこで興味を持ち得る対象に認知資源の再配分が行われているって感じ。

中垣:うんうん。

松田:だからあれやで、おれは蕎麦が好きやけど、蕎麦は一人で食ってる方が幸せやで

中垣:あー、そういうことね。

松田:蕎麦食ってるときに彼女の「美味しい」が飛んでくると、結構しんどいものはある。

中垣:そういうことか。そうやんな、おれにとっての「美味しい」はサイエンスやねん。なぜ美味しいか、みたいな話やから、それを人に邪魔されたくないねん。「この香りはなんだ…?」とか思いたいねん。だから「この香りなんやと思う?」って聞いて「分からへん」とか言われたらムカつくし…

松田:それは分かるな。彼女と蕎麦食ってても「歯応えが〜」とか「香りが〜」くらいしか言わへん。おれが紡ごうとした言葉がスポイルされるねん。

中垣:そうやんな。だからあれやん、大麻吸ったらご飯美味しく感じるって言うけどさ、人と一緒に食べるご飯は美味しいとか言ってるやつは、全員大麻吸ってご飯食べてみたらいいねん

大麻乱用による心身への影響 – 厚生労働省

松田:笑

中垣:それでも人と食べる方が美味しいって言うのか、黙々と食べるのかやんな。もし後者なら、結局そいつの食への感度が単純にザコかっただけってことやん

松田:間違いない。

2020年7月3日
Aux Bacchanales 紀尾井町


赤坂 やぶそば
HeaderImage: 東京赤坂やぶそば

赤坂Bizタワーのレストランフロアにあるやぶそば。はっきりとした香りの喉越しのよい蕎麦に、辛過ぎないつゆ、シャンとした薬味など、目立った特徴はないながらも全てにおいて水準が高い。店内は明るく、商業施設のレストランフロアでの通し営業であり、接客も盤石ながらしつこくないので、池波正太郎の『男の作法』で述べられているような東京蕎麦カルチャーを初めて実践するにはちょうどよいお店である。
ここで蕎麦に親近感を覚えるようになれたら、次はすぐ近くの「室町 砂場」に行ってみましょう。