タカ:食事マウンティングな…
中垣:
松田:そうやんな。あれの何が嫌かって…例えば「〇〇っていう本がいいよ」っていう意見に対して「いや××の方がいいでしょ」っていうのは、別におれはせんし、そんなこと言うやつも嫌いやけど、理屈としては分かるわけ。つまり
中垣:そうやね。
松田:せやけど食事は…
中垣:そう、そうやんな笑
松田:そこが非生産的やねん。
中垣:だってさ、
松田:うんうん。
中垣:何が言いたいかって、
大麻吸ったらご飯美味しく感じるって言うけどさ、人と一緒に食べるご飯は美味しいとか言ってるやつは、全員大麻吸ってご飯食べてみたらいいねん。
Source: commmon
例えば読書の場合、複雑な内容の本を丸腰で読んでも「何を言っているか分からない」となってしまいます。これは、複雑な内容の本からのインプットを評価するには、その本の内容が前提としているより基礎的なコンテクストを理解していることが必要だからです。
一方食事は、そのインプットを評価する能力はほとんどの部分が生得的な味覚に依存しているため、美味しい食事をした場合、それに連なる様々な食事経験の有無に関わらず、誰しもが同様にその美味しさを経験し評価することができます。
松田:うんうん。
中垣:もちろん多少は舌が肥えるとかもあるけど、でもそれ以前にセンスが悪いやつは悪いし。だから高い食事って、
松田:うんうん。
中垣:現代料理とか創作料理とかになってくると、それはまた別の世界にはなってくるねんけど、
メゾン・ド・ユーロンでもヘイフンテラスでも中国飯店でも、中華って全部王将の家族なんだなとしか思えませんでした
松田:笑
中垣:
松田:はいはい。
中垣:まあアッパーミドル特有のスノビズムっぽいところは若干あるねんけど、でもなんかね、
松田:へー。
タカ:へー。
中垣:なんかね、おしゃれやねん。で、このあいだあげてたのが、目黒に最近できたビストロ的な小料理屋で…
松田:小料理屋呼ばわり笑
タカ:笑
中垣:客単価が一万数千円とか、たぶんそんなんやねんけど、
タカ:そうなんや。
中垣:その子の投稿は普段は全部ガン無視するねんけど、なんかそこだけは気になってん。
タカ:へー。
中垣:それを考えたときに、
こういうことは洋服屋がしゃしゃり出てくることではないのかもしれませんが、さっきも触れたように、もう無視できないほどファッションの分野に浸食しつつあると思うんです。このナチュールだけに限らず。様々なことが。そしてそれらは衣料品だとは限らない。ライカだってそうだったでしょう?
Source: ATELIER HISTORIC INSTRUMENTS
Milano -01- – ATELIER HISTORIC INSTRUMENTS
おれらイッシーのこと好き過ぎひん?
松田:はいはい。
中垣:もちろん東京カレンダー的な意味ではなくやけど、
タカ:あー。
中垣:そのレストランでは、なんか見たことのないような料理が出てきてて、これならちょっと食べてみてもいいなって。しかも内装も素敵やし。
松田:うん。
中垣:
NYから直送したサブウェイタイルが敷き詰められたバーバーには、ベルモント社のヴィンテージ・バーバーチェアが並び、 理髪職人による巧みなカットはもちろん、伝統的なウェットシェービングが受けられる。
Image: FREEMANS SPORTING CLUB
BARBER – FREEMANS SPORTING CLUB
タカ:うんうん。
中垣:なんかそれと同じで…それこそ松田がホテル好きなんとも近いんかな。
松田:あー、はいはい。
ビーサンラウンジプレイヤー
中垣:そういう感じで、食事マウンティングの文脈に取り込まれさえなければ、例えば神楽坂の小料理屋に行くとか、案外楽しいんかなって。
タカ:全部小さないとあかんの?
松田:笑
中垣:それはあかんよ、大料理は体験っぽくないもん。やっぱこういうので出てくる、
こういうの
タカ:笑
松田:まあ確かにな、
中垣:それこそ料亭はゲームって話したことあるやん。
タカ:うんうん。
中垣:で、板前見習いみたいな人がバーって注いで、水面がわちゃわちゃのまま出そうとしてん。そしたら女将さんがぱって止めて。
タカ:うん。
中垣:それで、グラスごと一回下げて、水面が収まってからすって出してんな。
タカ:笑
中垣:あれを見たとき、こういう商売…つまり例えば王将ならコンテンツそのものが大事なんだけど、そうじゃなくて
タカ:はいはい。
中垣:
松田:笑
中垣:あともうひとつエピソードがあって、わりとちゃんとした店やから、うちの隣におったお客さんもしっかりした服装しててんな。うちの親父は変なやつやから、汚い格好でボコボコのノアに乗って行くねんけど。
松田:笑
中垣:で、親父はそんなこと気にしてないにしても、
タカ:はいはい。
中垣:だから最後にタクシーを呼ぶかどうか聞くとき、
お‐とも【御供・御伴】
①つき従って行くこと。また、その人。
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
②料理屋などで、帰る客の乗用によぶ車。
タカ:あー。
中垣:これ、おともって言葉を使われてるお客さんは、
タカ:あー…感じんのかね? それはただ使い分けてるってだけなんじゃない?
中垣:でもさ、なら一般的にタクシーって言ったらいいわけやん。それをわざわざ「おとも」って呼ぶのは、やっぱりお客さんで使い分けてるって感じなんじゃない?
タカ:あー。
中垣:別にうちに対しても、変なやらしさは無かったけどね。
松田:でもなんか、さっき中垣が言ってたホテルみたいなゲームっていうのはすごく分かるというか、食事にそれを感じたことはないけど、もし感じ得るんなら確かにコミットしてもいいかなと思うな。
タカ:それ系ってさ、
中垣:「ここにいていいんですか…?」的な?
タカ:洋服と一緒でさ、
中垣:あー、はいはい。
タカ:あのピリっとした感じ。
上には上がおるから、なんであれ極めるみたいなことはあり得ないのに、でも人より上におると思ってるやつは「到達した風の顔」をしてまうわけやん。その到達した風の顔をしてるとき、人はすごいダサいと思ってて。
Source: commmon
中垣:自分の知らん世界にエントリーしてる感じというか。
タカ:そうそう。
久しぶりにピースフル着地
2020年9月27日
Aux Bacchanales 紀尾井町
レストランパティシエール・中村樹里子さんの新天地、「Kabi NIKAI」から再発進。スイーツファンを魅了し続ける、彼女の今に至るまで。 – CAKE.TOKYO