「利他/利己」や「公/私」などの二項対立をめぐって、収拾のつかない議論を展開しきった後の会話です。
白濱:前にポイ捨てについての話があったけどさ、
こう‐きょう【公共】
社会一般。おおやけ。「―の施設」
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
松田:「公共」って言うとどうでしょうね。ある行動の是非を判断するときに、
白濱:なるほど。
松田:…いや、ちょっと待ってくださいね。そもそもの話として、僕は
白濱:あー…
松田:なんかね、公私って感じじゃないんですよ。
松田:その影響力は逓減していくものとは言え、極々わずかながらの影響であればそれが及ばない先はないと。
白濱:うーん、まあそうね…
松田:あるいは僕ね、外国人からめちゃめちゃ道を聞かれるんですよ。それがなぜかは知りませんが、その度に結構丁寧に説明して、10分15分くらいの距離なら全然連れて行くんですよ。
白濱:はいはい。
松田:そのときは相手に自分を重ねているじゃないですけど、すごくスムーズに相手に自己同一化ができている気がするというか…要は
白濱:あー…
松田:なんかね、
白濱:なるほど、そうね…確かに松田の考える公共性ってそういう整理になるのかなとは思った。僕はなんか優等生思想なんだよね、
松田:はいはい。
白濱:その上でそれが自分に返ってくるかどうかは特に考えないから、
松田:うんうん。
白濱:つまり自分が他者にコミットしたいという気持ちなんだよ。
松田:あー、はいはい。
白濱:話すときもすごく丁寧に話すし。それに
げんがく‐てき【衒学的】
学問のあることをひけらかすさま。ペダンチック。
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
こういう言葉があるってことは、昔からこういうやつは嫌われてたんでしょうね
松田:あー…
白濱:なんかすごく他者を想定している気がするんだよね。でも松田本人の認識としては、
松田:…もう一回言ってください笑
白濱:つまり、僕がするみたいに「ユーザーフレンドリー」っていう気持ちでこのサイトを作っているんではなく…
松田:あー、それはそうですね。あまり
白濱:そう、それが不思議で。だから…変な問いにはなるんだけど、
読者の皆さまには断っておきたいのですが、これは別に松田が一人でやっていることではありません。
commmon はあらゆる種類の意見・提案・コミットメントを歓迎しており、まさにそれによってこそ今ここにあるものであり、それは理想論などではなくひとつの事実なのです。(みんなもっと来い)
松田:なんでしょうね、やっぱり全体へのスムーズな自己同一化があるんじゃないですか?
白濱:え、禅マスターじゃん。
松田:まあそうですね、これが悟りです。
白濱:笑
松田:笑 でも自分でも思いますね。良くも悪くも変に素直というか、これでもし頭が悪かったら、悪い人にめちゃくちゃに騙されている気がします。
白濱:でもさ、
松田:いや、たぶんちょっと違う気がするんですよね。僕にとってのそれは「ユーザー+松田」フレンドリーじゃなく、
白濱:笑
松田:で、いわゆる「公共」にはイコールの先の部分はないんですよね。僕が部分であり全体であるというのは、まさにそういう意味に他なりません。
白濱:なるほど、確かにな。
松田:でもこの考え方、一般論としてはちょっと難しいかもしれませんね。
白濱:でもさ、松田はそれどうやって自分の思想にインプットしたの? だって普通に考えたら「ユーザー+松田=松田」っておかしいじゃん、四則演算できてないじゃん。
c 禅がよく分からん
松田:いやー、なんでしょうね。まあ「禅の師」に言わせると、
「禅の師」っていうのはいいレトリックですね
白濱:はー…それは身体知されている感じなの?
松田:そうですそうです。
白濱:なるほど笑 でもその「だってそうじゃん?」はどうやって…というか、頭を使ってそう思ったわけじゃないの? それとも暮らしていてそう気付いたとかなの?
松田:うーん…まあこれも「禅の師」が言うにはですけど、
白濱:へー。
松田:もちろん、
c Let’s 禅
白濱:笑
松田:それが禅のロジックですね。
白濱:でもやっぱり、頭で理解しようとする意思とか行動はあるんだよね。
松田:そうです、
くりかえして言う。禅を概念化してはならない。それはどこまでも体験的に把握すべきものである。しかしわれわれ人間は、誰も無言ではいられない。何らかの方法で自己を表現しなければならない。ゆえに、もし経験に表現を与えることをやめるならば、われわれは一つの経験すら持ち得ないことになる。一切の伝達の方法を奪われては、禅は禅でなくなるであろう。
(中略)
人間は、永久に自己を表現しようとしつづけるがゆえに、人間なのである。人間は理性的な存在であるというのは、この意味にほかならない。
Source: 鈴木大拙(1987)『禅』ちくま文庫
白濱:へー。でもあれだね、もしかするとクリエイティブアイデアが生まれる瞬間の感じにも相似できるのかもね。
松田:なるほど、まあ確かに。
白濱:たださ、「ユーザー+松田=松田」思想を「だってそうじゃん?」って説明すると、その先はどう繋がるの?
松田:…二行目はないですね。
白濱:
松田:そうですね。その上で「それはおかしいじゃん」「分かんない」って言われたら、まあそっかって感じですね。
白濱:笑
松田:でも禅問答ってそんな感じですよ、
白濱:じゃあ
松田:…いや、たぶんそんなことでは脅かされないですね。
白濱:笑 もう分からんな。
松田:
白濱:笑 まあいいや。この後久しぶりに日産のショールーム行かない?
松田:いいですよ。GT-R見に行きましょう。
2020年12月31日
LE CAFE DOTOUR GINZA
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