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TOKYO したいこと 人生 思索 生きづらさ

何かをするためには、何者になろうとしてもいけません

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藪内演劇はそこが曖昧になってまいがちやんな

松田:あー。

藪内:小劇場の役者とか、あとはインディーズシーンのバンドマンとかもそうやと思うけど、普通にプロの振る舞いができちゃうから。

中垣:そうか。今自分がどこにいるかだけで言ったらステージの上にいるし、あとは実力もまあ…プロと大差ないと言ったらあれやけど。

藪内:いや、大差は実はあるねんけど、でもそれを自覚しづらい。だから裾野で草野球やってるだけやのに、みんなプロ野球選手の顔をしてる

みなと:あー、そうなんだ。

松田:まあそうやんね、プレイヤー同士で比較される機会があんまなさそうやもん。観客からしたら、観ているときは目の前のそれしかないし。

中垣:そうやんね。

みなと:それ逆はないの? 裾野みたいなノリでまじの大劇場みたいな…言っていていまいち想像できてるわけじゃないんだけど。

藪内:でもそういう裾野から始めてポンポンと出世していったような人ら、例えば大人計画とかクドカンみたいに、朝に稽古場に行ってまずやることはコンビニにビールを買いに行くことみたいな、そういうテンションでやりながら一回9,000円とる芝居に出てる人もいる。

みなと:なるほどね。

大人計画

大人計画 – Instagram

藪内:だから勘違いしちゃって辞めづらくなるのはあると思う。夢追いたい系の人からすると割り切りづらいというか

中垣:あー、そういうことか。可能性はいくらでもあるって思えちゃうってことか。

松田:上との断絶がないもんね。

中垣:でもまあ純粋な気持ちから言うと、そもそもそれがおかしいというか、演劇で上を目指したいってなんかきもいけどね

松田:分かる分かる笑

中垣:なんて言うんやろう、別に演劇がしたいからしているのであれば、目の前の客が感動したらそれでいいんじゃないの?って。

みなと:確かにそうだね。

松田:でもまあ、そのスタンスが諸刃の剣ではあるとも思うよ。

c おれらがフェラーリ乗ってたら、ちゃんと話聞いてくれる?

中垣:まあそうやんねぇ…でもなんか、そういうことをしながら上にいきたいと思ってるって、それ本人もなんでビッグになりたいかよく分かってないんじゃない?

藪内:それは思う。

中垣:なんとなくビッグになりたい、まあそりゃ誰だってなんとなくビッグにはなりたいねんけど…っていう。

藪内: そう、突き詰めてみれば「有名人になりたい」くらいの話でしかないんじゃね?とは思う。

 加藤和彦が、雑誌で、こんなことを言ってたな。
「オレたちがロールスロイスを欲しいって言う時は、ある面、遊びで言ってる。でも、矢沢の永ちゃんは違う。彼が欲しいという時は、腹の底から、怒りがにじんでくるぐらい欲しいと思ってる」
 よく知ってるよ。オレ、オトシマエをつけてるんだよ、きっと自分自身に対して。

Source: 矢沢永吉(2004)『矢沢永吉激論集 成りあがり』角川文庫

矢沢永吉(2004)『矢沢永吉激論集 成りあがり』角川文庫

中垣富と名声が欲しいのか、それとも自分の素晴らしい演技をブロードキャストしたいのか、そこがはっきりしてさえいればたぶん、見ていてもしっくりはくると思うねん。「こいつはもう、これがやりたくてやっているんだな」って。でもそこがはっきりしていないから、くすぶってる人に見えるんじゃないかって。

松田:うんうん。

c 富と名声の罠

藪内:でもそれ見ててすげえ思うわ。「あー…君は本当はジャニーズに入りたかったんだね」って笑

中垣:そうそう、そういう動機がごっちゃになってるのに…

松田:全部“““演劇”””にパッケージングしちゃってるっていうね。

みなと:てかジャニーズになりたい系の人っているんだ。

藪内:まあ2.5次元系とかは分かりやすいんじゃない? テニプリのやつとか…

ミュージカル テニスの王子様
Image: ミュージカル テニスの王子様

ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学vs不動峰 – ミュージカル テニスの王子様

みなと:あー、はいはい。ああいうのって食べていけるだけの収入はあるの?

藪内:サラリーマンと同じくらい、年収400万円いくかどうかっていう暮らしを10年はできるくらい。

三津谷:それでも400万円とかなんだ。夢がないね。

みなと:でも一応は食っていけるっていうのがまたなんか…あれだね。

中垣:いやー、でもなんかめっちゃ思うわ。おれフォーブスとかってほんまそれやなと思うねん

松田:あー、うんうん。

『Forbes JAPAN』2021年7月号, プレジデント社
Image: Amazon.co.jp

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中垣フォーブスを読んでもイーロン・マスクにはなれないわけよ。なろうと思ってなるもんじゃないから…だからおかしいんよね、あの雑誌の存在自体が矛盾してるんよ。

三津谷:イーロン・マスクがフォーブスを読むかって言ったら、それは読まないでしょ。

松田:せやねんな。

中垣:それがもう気持ち悪くて。

分かった、ネットワーカーのインスタと同じだ!

松田:ひたすら夢売ってるって感じやんな。ドやらしいよね。

c 自分の人生を選ぶ苦しみ

みなと:前に松田さ、ウルトラマンの靴みたいな話してなかったっけ。小さい子が履くやつで…

松田:あー…言ってたな。なんか靴でもパジャマでもいいねんけどさ、それ着たらウルトラマンになれるやつあるやん。

藪内:胸のとこにカラータイマーがついてるやつな。

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松田:そうそう。でもあれはちゃうやん、ウルトラマンになりたいのであれば、幼稚園の友達に優しくするとこから始めたらええねん。フォーブスもそういうことやろ。

中垣:あるいは走り込みとかね。なるほど、確かに笑

みなと:そうそう笑

中垣:でもそうやんな。だから藪内もさ、かっこいいチャリはどれかとか考えてる暇はないよ。なんでもいいからかっこよく乗ればいいねん

藪内:あー…

松田:そう。かっこいいおれが乗るチャリ、それがかっこいいねん。

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PFSのmeta description、これは真実なのです

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中垣:か、ミーハーをやるのならそれはもう徹底的にやるべきやね。

中垣:ストーリーが欲しいのなら自分のストーリーでいいやん? 「小さい頃から使っている箸を大事にしてる」みたいな、そんなんでええねん。

松田:うんうん。

中垣:そっちの方が大事なはずなのに、値段が高いとか他人もそれがいいと思っているとか、そういうことによって価値の一般性を担保したがるやつがあまりに多過ぎる。まじでどうでもいいよな。

松田:まだミーハーの方がいいよな。

中垣:ミーハーはいいよ、いつの時代も肯定されるね。

Source: commmon

c ヴィンテージよりカッティングエッジ

三津谷:「おれがかっこいい」っていうメンタリティが大事ってことだよね。自信を持ってやるというか。

中垣:うん、それが大前提ですよね。まあでも…「自信を持ってやらないと」とか思ってる時点で無理な気はするというか、それはもう、自分がそれをやる必然性がないってことではあるよね

藪内:あー、それはあるかもな。

そもそも自分を他と比べるから、自信などというものが問題になってくるのだ。わが人生、他と比較して自分をきめるなどという卑しいことはやらない。ただ自分の信じていること、正しいと思うことに、わき目もふらずに突き進むだけだ。

Source: 岡本太郎(2017)『自分の中に毒を持て』青春文庫

岡本太郎(2017)『自分の中に毒を持て』青春文庫

松田:か、それを考え抜いた末に「かっこ悪くてもいいからそれでもやる」と思えるのであれば、それはもちろんやればいいと思うけどね。

藪内:うんうん。

中垣:なんかでもさ、東京の居心地の悪さってそういうところやんな。何をやっても自分より優れている…というか先を行っている人が目についてしまうから、なかなか自由にできないよね。

松田:うんうん。

中垣:これが青森なら…もう知らんやん。そもそも人に会わないもん。

みなと:笑

中垣:青森のカルチャーシーンってそんななくて、お店ももう3つくらいで。で、なんか煮干のナポリタンでニボリタンっていうのを出してるお店があって、そこ界隈を中心として服屋とかがあるって感じやねんけど。

JUSTINECOFFEE – Instagram

松田:はいはい。

中垣:それがなんか狭くていいなと思って、そういうところなら自分のペースでできるなと思ったっていう、そういう話です。

三津谷:なるほど。なんか、ちょっとそれと似たようなことを考えてて…さっきまでそこに黒いランボルギーニがいたじゃない?

松田:はいはい。

三津谷:まあここはちょっといい街だからってのはあるけど、普通に話してる横にランボルギーニが停まってるって、そういう環境がもうちょっとあれじゃん。

千代田区パラサイト、commmon です。

中垣:そうですよね。

三津谷:それがモチベーションにつながるかもしれないし、あるいはどう頑張ってもこんなの買えないじゃんってなるかもしれないし…まあ良くも悪くもってところはあるよね

中垣:そうそう、まさにそうですね。

松田:なんしかノイズは多いよな。

中垣:そうなんよねぇ…やっぱり東京を出るしかないんじゃないですか?

松田:それはあるよ。

E・F・シューマッハー(2000)『スモール イズ ビューティフル再論』講談社学術文庫
Image: Amazon.co.jp

E・F・シューマッハー(2000)『スモール イズ ビューティフル再論』講談社学術文庫

中垣:ただまあ個人的には、わりとそういうことを気にしなくはなってきたというか、自分なりの乗りこなし方がなんとなくは分かってきたけど。

松田:うん、まあ個人的には気になってへんな。

三津谷:そう…でもふと思うときはある。例えば今の仕事の現場が八重洲なんだけど、銀座とか通って帰ったりすると、景気のいい車はいくらでもいたりするからさ。

松田:うんうん。

三津谷「あれ…?」みたいな。

中垣:うん、まあそうですよね。なんか一昨日くらいにウィリーの練習しようと思って、どこでやろうか考えてんけど…青山のブルックスの裏あたりにあった、あかん感じの公営住宅分かる?

松田:あー、分かる分かる。

中垣:あの辺って今全部綺麗になってるやん。それであそこの広場で練習しててんけど、なんかずっとモヤモヤしてて。

松田:うんうん。

中垣:これがもっと誰もいない、郊外の駐車場とかやったらいいのになって思ってた。なんかすごい嫌やった。

みなと:人の目というかね。

中垣:そう。別に誰もいないんやけど、それを感じちゃう自分がいて。「マンションの上から見てるやつおらんかな…いやまあ、いてもええねんけど」みたいな。

三津谷:笑

藪内:それさ、逆に都会の中で労働者階級をやるっていうロールプレイで乗り切る方法はなしなん?

中垣:あー、ローに寄せる感じでね。

ワーキング・クラスごっこ

c イギリスとかいうクソ階級社会

藪内:そうそう。身の丈を自覚してこじんまりと、ブレードランナー的な感じでこう…ね。そうやって都会をライドするみたいな。

ブレードランナー ファイナル・カット(字幕版) – Prime Video

三津谷:笑

中垣:でもさ、それをやるんならほんまに一人でやらなあかんくて、それこそが大変なんやん。結局そういうスタイルも、先にやってるかっこいいやつがおるねんって

松田:ほんまかいな笑

中垣:それがまじで大変で、例えば一瞬ロードバイクをかっこいいと思って、でもそうじゃない方向でやろうとしたらそこにはブルーラグがおるねん。で、ブルーラグにはブルーラグの、彼らなりの「これが正しい」みたいなのがあって…じゃあおれはどうすればいいんだ?ってなるわけ。

BLUE LUG

藪内:うーん。

中垣:だから、そういうハイエンドじゃないスタイルをやろうと思ってもその線でかっこいい人は既にいて、じゃあそれについて行こうと思ったら、それはもう負けてるわけ。

藪内:なるほどね。

松田:だからもう…テラスで茶しばくシーンで勝ち切るしかないね

c The Next is…

中垣:あ、そういうこと?笑

みなと:東京喫茶シーンね。

三津谷:でもそれで思ったのが、ちょっと前までの未開のクールなシーンって何かって言ったらインターネットだったと思うのね。だからかつてはホームページとかってクールだったと思うんだけど、でも今や、みんなツイッターもインスタグラムもやってるしってきたなったときに…commmon なんじゃない?

中垣:おー。

おー

松田:まあでもそれはあるかもね。毎週決まった場所で集まっていて、さらにSNSアカウントがない、これは意味があることやと思うよ。

中垣:インターネットの良心やね。でもこれで大事なのは、仮の仮に我々が先行者だとして、その後ろは綺麗に掃きながら進まないといけないってことやねん

松田:え、どういうこと?

中垣:つまり「既にこういうのがあるしな…」って思わせたら終わりやねん。我々は勝手にやっているだけで、別に他の人がどうとか関係ないし。

松田:あー、確かにね。

飽きたらやめますんで、今のうちにたくさん読んでいてください

中垣:これが大事やねん。なのにみんな、その掃き掃除をせずにふんぞりかえってるから…

松田:「ここはおれが通ってきた道ですけどぉ?」みたいなね。うん、そんなん最低やな。

中垣:そういうのはほんまによくない。

c 他人の前言語的確信を損なってポジション取りするの禁止な

2021年6月13日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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イーロン・マスク
HeaderImage: Forbes JAPAN

南アフリカ共和国出身のアメリカの実業家、イーロン・マスク。Zip2やX.comの創業を経て現在はスペースXとテスラを経営する。フォーブスが発表した2021年版の世界長者番付では資産総額1510億ドルで、前年の31位から急上昇し2位となった。
人類の未来に最も影響を与えそうな課題として持続可能エネルギーや人類が火星に居住することを選択しそれを実現する彼はまさに、何者かになることではなく、何をするかを自身の主題としていると言える。

イーロン・マスクの名言7選 「一緒に働いている人が好きかどうかは、とても大切だ」 – Forbes JAPAN