酒井:
松田:へー。ていうかニートしてたん?
酒井:はい、ニートしてました。大学卒業するちょっと前から去年の今頃までは会社やってたんですよ、起業して。でもそれを潰して、
松田:なんかさ、commmonの中で気分的に共有されてる話題として、
酒井:はいはい。
松田:で、
酒井:それめっちゃ理解できるんですよ笑
松田:で、今日来るって言ってる西川、彼女は大学四年生で留年して暇してるらしいねんけど、
酒井:いやー、それは結構ありますよ。
松田:だからなんか、酒井のそれもちょっと聞きたいなって。
酒井:おれ一時期めっちゃ本読んでたんですよ、バックパッカーやる前くらいに。2ヶ月くらい部屋に閉じこもって、本読んだり映画見たりで。そのときは言うて楽しかったんですけど、バックパッカーから帰ってきてもう一回ニートしてみたら、
松田:あー。
酒井:適当にフリーランスやろうかなとも思ったんですけど、なんかだるいじゃないですか、営業とかするの。だから結局やらなくて。
松田:笑
酒井:そのとき、
松田:そうそう。おれがさっきこの話題に興味があるって言ったのも、
酒井:いや、そうですよ笑
松田:酒井的には、その生活には何が足りていない感じやったん?
酒井:うーん…
酒井:で、なんとか自分で目的を見つけようとして、なんとなくインフルエンサーとかになろうかなと思ってた時期もあったんですけど…さっき言ったように、
松田:へー。
酒井:それでニートやめて働いてみたら、やっぱり人と触れ合う機会は多いじゃないですか。それに
松田:うんうん。
酒井:なんかニートって、自分でそういうのを見出さなきゃいけないというか、
c 「している限りにおいてそれがしたいこと」ってどういうこと?
松田:あー、はいはいなるほど。
酒井:それに社会からの目とかも気にしちゃう人間としては、やっぱりしんどいですよ。
松田:ニートしてたときっていうのはさ、最終的には一般的な形で社会に復帰するだろうということを前提にしていたのか、あるいは場合によっては必ずしもそうではないっていう感じやったんか、どっちなん?
酒井:完全に後者ですね。
松田:へー。
酒井:だからどうやって稼ごうって感じでしたね。楽して稼ぐ系でとりあえず時間を過ごしてみるか、インフルエンサーになって何かおもしろいことできるかなとか、そういう方向で考えていました。
松田:なるほど。
酒井:あと、今までお金がなくなる経験がなかったので、とりあえず所持金ゼロになるまで試してみようって気持ちもありました。
松田:笑
酒井:それでいよいよお金がなくなって、ついに働き出したみたいなところもちょっとあったりします。
松田:なるほどなるほど。
酒井:なんか…人生今が楽しければいいかと言うと、ちょっと分かんないじゃないですか。
松田:うんうん。
酒井:そういう意味でも、
松田:そうかそうか。
酒井:松田さんはニートが楽しいって感じですか?
松田:
酒井:なるほど。
松田:し、将来は普通に働くかもみたいなことも全然考えへんな。そもそも先々のことにあんま興味が無い。
酒井:なんかその…
松田:うんうん。
酒井:そういうことは考えないのかなって…
松田:別にたまーには考えるよ。でも考えるけどさ、
本当の歴史は飛躍の連続である、非連続の連続である。独尊者はいつも現在の刹那において過去から未来へ躍り出る。彼は現在の一刹那において黒暗暗の真只中を切り抜ける。此一飛躍の中で所謂る「過去の歴史」なるものが、溌剌たる生気を取り返すのである。独尊者の巨歩は実に此の如く堂堂たるものである。何ものの閑人ぞ、敢て彼を干乾しにはせんとする。又何ものの「現実」主義者ぞ、彼を「過去」の棺桶の中に封じ去らんとする。
独尊者は「時」の流れに順はぬ、「時」の中に居ない。「時」は却つて彼の跡を逐ふのである。彼あるが故に「時」がある。彼の動くあとに「時」がのこるのである。彼には固より「時」をのこす意図も何もない、彼ほど現実の具体者はない。抽象せられた「時」なるものは彼を何ともすることが出来ぬ。彼の後へにくつついてまはつて居る。彼に追ひつかんといくらあせつても、彼はいつも「時」よりも一歩前進して居る。彼は「時」を使ふが、「時」は彼を使ひ得ぬ。昔趙州禅師は「諸人は十二時に使はれて居るが自分は十二時を使つて居る」と云つたが、その通りである。趙州は独尊者であつた。これが臨済の、「随処に主となる」である。別に何かのはからひがあつて、主人公となると云ふのではない。「自然法爾」底なのである。人間的に「主」とか「客」とか云ふが、独尊者の方からはそんなものはない。孤行独往である。それを人間――「時」――が跡から跡からと逐ひまはる。而してそれを「歴史」と云つて、それに一所懸命にくひ下つて居る。彼等は「時」の流れに溺れるものである。
Source: 鈴木大拙『時の流れ』
みんなこれ読んで目を醒ませな
酒井:うーん。
松田:今はそもそもそういう機会はなくなったけど、2~3年前まで
松田:その人が何者なんだっていうことに触れようとしているシーンで「何をしているの」「何がしたいの」って聞いても、どうせ何も明らかにはならんよな。人に聞くときも、自分で自分について考えるときも。
中垣:うん。
松田:そんなことよりも、今日への充実と明日への希望をもって夜寝られるように日々を送りましょうって話。
中垣:そうやんな。それで言うと自己紹介がほんま嫌いで。
松田:そういうことそういうこと。
中垣:趣味が何とかどういう会社に勤めてるとかどうでもよくて。そんなことより今日の朝ご飯に何を食べたか言いなさいって笑
松田:そっちの方がよっぽどしっくりくるよな笑
Source: commmon
人生の真相は、どこか将来ではなく今ここにあるのです
酒井:はいはい。
松田:というのもさ、少なくともまだ誰もしていないことをすることになるだろうから、何にって言われても、
酒井:なるほど。でも一般的な感覚、すぐ思うところからすると、「え、じゃあ結局なんなの?」ってなっちゃうところはあるかなって…あー、でもそうですよね。説明する意味は無いって感じですよね笑
松田:そうそう笑
2019年11月22日
DEAN & DELUCA CAFE 六本木
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