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お金のこと 思索 未来

「お金が欲しい」じゃないんだよ

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松田「お金が欲しい」の矛盾、これを一応テーマに書いててんけど…

みなと:なるほどね。

松田:まあシンプルな話やねんけど、お金が欲しいって言うとき、欲しいのはお金じゃなくてそれで購えるものやん? 無人島みたいな、誰も何も生産していないところでお金を持っていても意味無いやん?

みなと:うんうん。

松田:だから六本木で「お金好き」って言ってる白ギャル、あいつらは間違ってる

太郎:笑

中垣:あー、そういうことね。

松田:で、言っちゃえばそれだけの話やねんけど、でもそういう考え方って、意識せずとも誰しもしちゃってると思うねんな。

中垣:そうやんね。

松田:だからさ、お金じゃなくて具体的なものであれば何でも提供してもらえるって想像してほしいねんけど…

中垣:あー…

太郎:なるほどね、なるほど。

松田:そうなるとたぶん、ほとんど何も欲しいとは思わなくなると思うねん

なんでも無料になったら、みんな取りたい放題、使いたい放題になって、モノが足りなくなって奪い合いの暴動が起きるのでは?

最初は興味本位で必要以上のモノを持ち帰る人がいるとは思いますが、自分に必要のないモノを持ち帰る意味がないことにすぐに気づきますので、そういう人は必要最低限のモノを感謝や敬意の気持ちで持ち帰るように変化すると思います。食べきれない食料を持って帰っても意味ないので。またモノが足りなくなったら、みんなで作ればよいと思います。地球上の資源や食料は、自分に必要以上のものを求める人や企業によって過剰に消費され、結果余らせ捨てられているのが現状です。企業は利益をあげるために、無理してモノを大量生産し、在庫まで余らせて商売をしてきましたが、お金のない世界ではもうそんな必要はありません。人々が本当に必要なモノを、最低限の資源で効率良く生産すればいいのです。

Source: note

「世の中からお金をなくす」に対する質問に答えました。 Yusaku Maezawa 前澤友作 – note

中垣:確かにな。

松田:お金なら10億円でも100億円でもなんぼでも欲しいと思うのに、具体物ってなるとそんなことは全然ないと思うねん。

みなと:そうだよな。

松田そこで想像される光景が、生産の交換の手段としてのお金がなくなった世界ちゃうかな思ってるねんけど

「世の中からお金をなくす」ことで世界は平和になる Yusaku Maezawa 前澤友作 – note

中垣:お金が欲しいって、要は可能性が欲しいってことやもんね。交換した先のものではなく、交換できるということそのものが欲しいと。

みなと交換可能性そのものというかね

松田:そういう幻想を抱かせている時点で、お金はシステムとしていかつ過ぎるよ。

河邑厚徳・グループ現代(2011)『エンデの遺言 根源からお金を問うこと』講談社+α文庫
Image: Amazon.co.jp

河邑厚徳・グループ現代(2011)『エンデの遺言 根源からお金を問うこと』講談社+α文庫

中垣:いや、ほんまそうやな。しかも…まあさすがにちょっと擦り過ぎやけど、でもBMWとかって完全にそういう出費でしかないよな

M8は例外な

c 不誠実な中流根性

松田:そうそう。オートロックも風呂トイレ別も、バレーパーキングもドアマンも全部そう。

中垣交換可能性そのものとして「お金が欲しい」っていう人が欲しがるものやんね

みなと:うんうん。

松田:何でもいいから言ったものが提供されるっていう状況なら、BMWなんていらんよね。

ファントム・プリウス・ウアイラの3択になります

PHANTOM – Rolls-Royce Motor Cars

プリウス – TOYOTA

Huayra – Pagani

中垣:うんうん。

松田:おれやったら何が欲しいやろう…

中垣木工室と金工室でしょ

中垣:つまり…年収が二倍になると食費も車も二倍になるのはくだらんっていうのは前から言ってるんだが、でもそう言われても、なんでくだらんのか分からへんやん。だって二倍いいもんを享受してるんだから、その分体験も二倍リッチになってるんじゃね?…と思いがちなんだけど、実際はそうじゃないねん。

松田:うん、そんな気がする。

中垣:ってなったときに…どうすればいいんやろう? 年収が700万円から1400万円になったとき、例えば増えた700万円で木工室を作れば豊かになるっていうのはもちろんあるんだけど…

松田:うんうん。

中垣:要は何が言いたいかって、生活様式が変わらない限り豊かにはならないねん。そもそも豊かさはお金とは何も関係がないから。だから年収が1400万円の人は、半年だけ働いて年収700万円になって、残りの半年はフラフラするなり本読むなり子供と何かするなりした方が絶対豊かやと思うねん。これ結論出ちゃったな。

Source: commmon

c 年収との向き合い方

松田:間違いない。あとはプラチナを溶かすために酸素バーナーも欲しい。

みなと:笑

松田:なんしかこれは、普段からそういうふうに考えてお金を使うとフィット感を詰めることができそうですよね?っていう提案やね。

太郎:あー、うん。すごくいい。

みなと:うん。おもしろいね。

松田:だってそう言われちゃうとまじで何も要らんやん? うん、これで心穏やかに阿佐ヶ谷に引っ越せそうやわ。

みなと:よかったね笑

中垣:でも一方でさ、それでもなお「やっぱりおれは六本木という街が好きなんだ」って言ってあの街を一から作り上げたら偉大やんな。

みなと:それはやばいね。

中垣:「お前そこまで六本木が好きやったんか…」って。

c 「東京カレンダー」な街

松田:笑

中垣:でもディズニーランドはそれに近いところがあるよね

松田:そう、だからディズニーランドは偉いねん。あの価値観をただのアイデアとしてだけじゃなく、フィジカルに作り上げたっていうのはすごいことやと思うで。

中垣:なんか…週末はみんなディズニーに行けばいいんじゃないかとさえ思うよね。

松田:うんうん。人生つまんないなら、じゃあもう毎週末ディズニーに行けばいいと思うし、それに飽きてきたらそこで初めて人生見つめ直せばいいと思う。

中垣:そうやんね。そうなったときがきっと見つめ直すべきタイミングというか、よりこうプラクティカルに向き合わなければいけないよね。

松田:うんうん。

中垣:ディズニーに人生救われたとか言う人いるけど、でも分かる気はするよ。

Source: commmon

c ディズニーで知る、世界に対する肯定的確信

みなと:確かにな。

松田物がそこにあるっていうのは、それだけで安易な批判を退けられるねん。『プペル』をディスり倒すとかなら簡単にできるけど、ディズニーランドはそこにいるだけで、前言語的にハッピーを確信できるねんって。

仏像もそういうことだよ

太郎:西野が作ろうとしている美術館もそんな感じなのかな?

松田:あ、美術館作ってんの?

太郎:最終的にはそこを目指してるらしいよ。

松田:なんかそう考えると偉いな。

中垣:なんかさ、基本的には好きじゃないねんけど、でもチームラボの偉さもそこにあるなとは思うねんな

チームラボ ボーダレス
Image: teamLab

チームラボ / teamLab

松田:あー、分かるわ。

中垣:「メディアアートはこうあるべき」みたいなところをガン無視であれをやるのは結構すごいよなって。

松田あれはディズニーと一緒やもんね。まあ嫌いやけど。

みなと:二人はチームラボ嫌いってずっと言ってるじゃん、あれは文脈的にも嫌われやすいものなの?

中垣:文脈的に嫌われやすいとは思うよ。メディアアート文脈では嫌われやすいと思う

みなと:それは…軽薄だとかそういうこと?

中垣:技術的に大したことないって言う人は多いし、あとはあれはアートじゃないみたいな、そういう感じかな。

みなと:あー…なるほど。

松田:ラッセンがディスられるのと一緒やろ?

https://www.youtube.com/watch?v=3CLVOi8EO1U

これ超好き

中垣:そうそう。でもどっちかと言うと「やすきに流れることはしないでおこうな」「おれ達には大事なものがあって、できるだけそのままの形でみんなに拡げることにしような」っていうタッグを組んでたはずやのに、てめえ一人だけ勝手なことしやがって…みたいなのはあるんじゃないかな。

太郎:あー、そうなんだ。

みなと:裏切られた感というか…

中垣「そんなことしたら業界全体が安く見られちゃうことは分かってるはずやのにさ…」っていう。まあ逆の言い分も、もちろんあるんやろうけど。

みなと:彼女は見に行って喜んでたわ。

中垣:まあそうやんね。それにあれメディアアートとは言うものの、別にことさらにアートを自称しているわけではないしね。

松田:アミューズメントやもんね。

中垣:そうそう。…ちょっと脱線しちゃったね。でもお金じゃなくて、欲しいものそのものをもらえるって想像するのはいいな

太郎:そうなったとき白ギャルはどうなるんだろう。ニヒリズムに陥るのかな…

松田:いやー、そうなんじゃない?

そう思いたいだけでしょ

中垣:でもさ、今は何かを欲しいと思うためにはそれがお金で買えることが必要やけど、お金を介さずに済むようになったら「公園が欲しい」とかが出てきそうやんね

松田:おー。

みなと:あー、欲しいな。

中垣:だって普通は公園が欲しいって思われへんやん? 買えるものやと思ってへんし。

松田:し、お金を持っててもやらへんよね。だってそこにビルを建てた方がいいから…

ミヒャエル・エンデ(2005)『モモ』岩波少年文庫

河合敏雄(2020)『Momo ミヒャエル・エンデ』(NHK 100分 de 名著)NHK出版

中垣:そうそう、でもお金を介さずにっていうのはそういうことやんね。「あなたは本当は田園調布に住みたいんじゃなくて、近所に綺麗な公園が欲しいんですよね?」って。

松田:いやー、その通りやな。

中垣:ほんまは公園が欲しいだけやのに、お金のせいで、なんでかそれが田園調布にねじ込まれてるっていう。

みなと:笑

中垣:…でも待って、そもそも太郎って普段から公園が欲しいくらいのことを考えてそうというか、「おれはこれが欲しい」とかがあんまりなさそう。

c 公共が主題になる人と、自分が主題になる人

松田:確かに笑

太郎:いや…まあないね笑

中垣:普段は何を買ってるの? 洋服買うときだって必需品を買うくらいの感じでしょ。「これこそは…」みたいな買い物ってないの?

松田:それを選ぶことに強く自己同一化しているような物やんな。

太郎ビートルズの新譜とかはそうかもな。中三のときにビートルズのリマスター版が出たんだけど、ステレオとモノ全部買ったもん。

松田:あったな…

みなと:太郎さ、プレイヤーに入れるデータをレコードのA面B面に合わせて全部分け直してたよね。

太郎:あー、やってたね。レコードが出た当時の人のエクスペリエンスを追体験したかったからね

中垣:音質じゃなくて並びでね笑

太郎:そうなるともうレコード買えよって話なんだけどね。

中垣:でもそれはあくまで物が欲しかったってことやんね。Apple Musicで聴けるならそれでもいいとかじゃなくて。

太郎:そうだね。でも人生において物が欲しくて買ったのってそれくらいかな。

松田:はいはい。

太郎:だから去年の10万円の給付金も、あれはある種の社会実験だからそれにのっておくかくらいの感じで、普通だったら投じないような金額を地方のクラファンに使ったな

c しっくりくるお金、こないお金

松田:え、偉過ぎん…?

中垣:でもまあそう考えるとクラファンも悪くはないのかなと言うか、それこそ公園みたいに、これまでならお金を使う対象になり得なかったものにお金が集まるようになったのは良いことやんね

松田:実態にやや気持ち悪さはあるけど、でも筋はいいよね。

みなと:なるほどね。

太郎あれはそもそも使い切ることに意味があるお金だと思ったから、それもあっておれはそうしたな。

僕も使い切りはしました

松田:間違いない。あれを貯蓄に回したみなとはどうなんだって話はあるよ笑

太郎:持論としては、使わずに貯蓄に回したやつが一番罪が深いよね

みなと:笑

2021年1月31日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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エンデの遺言 ~根源からお金を問う~ – YouTube