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仕事 生きづらさ

【シリーズ】お悩み相談室 #2

3 years

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中垣:きゅーちゃんはなんかお悩み相談ないの? あるいは気になってることとか。

きゅー:さっきトイレで考えてたけど、言われそうなこと想像ついて自己解決したわ。

😥

中垣:その過程を教えてや。

きゅー:今の会社で働くモチベーションがゼロで、転職しようとしてるんだけど…

中垣:はいはい。

きゅー:同業なのか、はたまた業種・職種から変えちゃうのかってところから悩んでて。ただひとつ言えるのは、もう少しリアルプロダクト寄りの仕事がしたい

中垣:今はどういう仕事してるん?

きゅー:今はアプリデザイナーやってて、会社はゴリゴリのベンチャーなんだけど、マインドセットがなんか肌に合わないんだよね

中垣:具体的にはどういうところ? 「自分で考えて自分で動け」みたいな?

きゅー:例えばツイッターとか見てると、ベンチャーの人達って「休日も自己研鑽して、働いて、こういう成果出ました。いいプロダクト出せまぁす」みたいなことをツイートしてんのよ。それこそ仕事に完全に自己同一化してる感じというか。

中垣:プロピッカーっぽいな。

プロピッカー – NewsPicks

きゅー:ほんと気持ち悪いし、加えて自己犠牲的というか、「見返りを期待できないものに対しても熱心に取り組んでます」ってスタンス自体が良しとされている価値観もあって。

中垣:なるほど。そういうメンタリティが合わないという点と、他には?

きゅー:あとは、具体的なものをつくるのが好きでアプリデザイナーの仕事を始めたけど、実際にはビジネスも含めた俯瞰的な視座が前提としてあった上でデザイナースキルを持つことが求められてて。

中垣:それはそんな気がするね。

きゅー:キャリアに関しても最終的にはプロダクトマネージャーを目指そう、みたいな空気がある。

プロダクトマネージャー (英:product manager)とは経営学用語の一つ。企業においてマーケティング活動全般の権限と責任を持つ管理者を担当する職種を言う。ここで言われている権限というのは製品の開発から、その製品の宣伝、販売、流通などの広範囲にわたっている。 プロダクトマネージャーとは職種の名称であり職位を示す言葉でなく、必ずしもマネージャー職が担当すると言う意味ではない。現実にはその製品に詳しい一般社員が担当する場合が多い。

Source: Wikipedia

プロダクトマネージャー – Wikipedia

きゅー:なんなら具体物についても、「自分が納得のいくものを作りあげる」みたいな快感が禁忌みたいになってて。デザインはあくまでユーザビリティのためというか…

c よいものが売れる vs 売れるものがよいもの

きゅー:私は素敵なデザインに心が躍ったり、何かが作品として完成されているみたいなことに価値を見出すタイプなんだけど、アプリ含めデジタルプロダクトって、いつまでも完成するものではないのね

中垣:永遠のβ版的な話ね。

エリック・リース(2012)『リーン・スタートアップ』日経BP
Image: Amazon.co.jp

エリック・リース(2012)『リーン・スタートアップ』日経BP

きゅー:特にベンチャーでは、なるだけ最短でリリースしたいから、もはや素敵なデザインは作らないほうがいいみたいな空気すらある。もちろんその合理性みたいなのは理解できるんだけど、個人的にはいまいちしっくりきてない。

中垣:あーね。

きゅー:だから業種・職種から鞍替えしようかなとは思うものの、そっちはそっちで同じような不満が出てくるのかな…みたいな。

中垣:はいはい。

きゅー:それで最初に戻ると、結局「一回やってみればいいんじゃね?」って言われそうな気がして、自己解決したって話。

マジでそう言いそうになった

中垣:いくつか質問があって、以前はプロダクトマネージャーになりたいって言ってた気がするけど、それは当時はそういう世界観を良しとしていたけど、実作業を通して何かを作る方が自分にフィットしていると気付いたってこと?

きゅー:うーん、だいたいそんなとこ。

中垣:なるほどな。

きゅー:実際、具体物じゃなくて仕組みをつくる行為に快感を覚える自分がいたこともあるけど、今となっては周りの「こうあるべき」みたいなのに侵されていた気がする

中垣:デザインが下に見られるみたいな空気はすげえ分かるよ。コンサルでアプリを作ることはないけど、具体的なシステム寄りの話になるほど構造的には下請けっぽくなるから、人材としては軽く見られがちで。コンサルもいわゆる意識高い人達が集まりがちやから、そういう謎のヒエラルキーはある。

松田:それすごいありそうやんな。

c コンサル業界ってこんな感じ

中垣:一方でオタクっぽい人というか、おれもそうやけどミリミリとした作業が好きな人にとっては、コードをどれだけ美しく書くかにアート的なものを感じたりだとか、プロダクトを完成させたときの極めて個人的な達成感とか、その辺に魅力を感じてしまうのはどうしても仕方がないと。

きゅー:うん。

中垣:それで思ったのは、結局適性みたいなのはある気がしてて、時間をかけて納得のいく形で具体物を仕上げたい人と、そういうのはどうでもよくて要領よく仕上げる人とに分かれるというか。実際おれはあんま要領よくないし、きゅーちゃんもそうやろうし。

さらっとディスる

きゅー:それってつまり?

中垣:おれらのメンタリティはシステム側に近いってこと。

きゅー:そういう構造ってどの業界でもそうなのかな。

中垣:それは分からんけど…でも同じ人間の営為としてその二者に優劣はないはずやんか、例えばアーティストなんかは明らかに前者なわけで。なのに業種によってヒエラルキーが生まれるのってなんでなんやろうね

きゅー:うーん。

中垣:ただそう考えると、業種を変えてしまうか、そういうヒエラルキーは無視しちゃうかくらいしかないんかな。あと最初言ってたベンチャー界隈のメンタリティの話に関しては、これはどこにいっても無駄やと思ってる。そういうドグマっぽいものってどこにでもあるから

みなと:そうだね。

中垣:それはゴールドマンサックスでも町工場でも変わらないはずで…だからいっそ諦めた方がよくて、変に仕事に自己同一化する必要はないし、そういうドグマを持つ人と友達になる必要もない。もちろん職場の飲み会には行けばいいけど、そこで心を通じ合わせる必要はない。

有言実行してたら誘われなくなりました

中垣:そもそもきゅーちゃんってなんで仕事すんの? 生活費を稼がないといけないのはあると思うけど、それ以外は?

きゅー:うーん、自分が喜びを得るためかなぁ。

中垣:それは…仕事とそれ以外という分け方をしたとき、仕事に求めたい?

きゅー仕事にも求めたい

中垣:うーん、なるほど。じゃあ思考実験として、まじで興味が無い仕事を週1日やるだけで毎月20万円もらえる仕事があるとしたら、やる?

松田:やります。

「やります」

きゅー:笑 まあやっても一年しか続けない気はするな。

中垣:とすると、どんな作業・行為であっても、自分がそこに価値を見出せるものであってほしいってこと?

きゅー:うん。

中垣だとしたら、絶対ベッドでYouTube見んなよ。そこに質的な差はないで。

みなと:笑

おすすめチャンネル貼っときますね

中垣:人は仕事を「仕事」だと思い過ぎてんねんって。どうせそんな真面目じゃないねんから、ベッドでYouTubeを見るのと同じくらいに思っとけばいいねん。何回も言ってるけど、仕事なんてモチベーションを外注してるだけやから。

中垣:で、前から言ってる話として、ニートしてたときと働き出してからやと働き出してからの方が楽みたいな話があるけどさ、自分が何かに取り組む理由を自分では作り出されへん、要は自分で自分のけつ叩かれへんような人は、そこはもう外注しちゃっていいんじゃないかって思ってて。

松田:はいはい。

中垣:そこで全体の何割を外注するのでもいいんだけど、残念なことに一般的には普通に会社勤めをするかフルで自分でやるか、つまり一週間の内の7分の5を外注するか全く外注せずに自分でやるかの二択しかないわけ。それでもまあ7分の5を外注するんがしっくりくるんなら、それはそれでいいんじゃねって話。

Source: commmon

c 「辛い」の構造的な欠陥

きゅー:でもベッドでYouTube見るのは、自分の喜びのためにやってることじゃん。

中垣:あー、そういうこと? とすると、その体験を自分が積極的にいいと思えるようなポジティブな喜びでなくて、怠惰で受動的な喜びであってもいいってこと?

きゅー:おもしろいYouTubeをみて快感を得られたらそれでいいし…

中垣:あー、そういうこと? うーん、すげえ反証したい

生まれ変わったらこういうこと言わないやつになりたい

松田:反証したいってなんなん笑

きゅー:

中垣:でもそれってどういうこと? あらゆる時間において自分が納得できればいいってこと? なんでベッドでYoutubeを見るのはよくて、仕事でくだらんことをやるのがダメなのかが分からん。あくまで自分の意志で行動してるからってこと?

きゅー:うーん、仕事の目的はお金じゃないからじゃないかな。

中垣:お金じゃなくて…?

きゅー:例えば自己実現だとか、自己効力感とか。

中垣じゃあ仕事せずに自己実現すればいいやん

きゅー:でもそうすると松田みたいなことになっちゃうじゃん。

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c 【シリーズ】お悩み相談室 #1

中垣:じゃあ仕事をするのはお金のためでもあるわけでしょ?

きゅー:あくまでサブでね。

中垣:じゃあ一番大きいのは自己実現か…でもなんでそれを仕事に求めるん? ここで仕事って言ってるのは「自分が見出した何かにコミットすることで価値を生み出して…」ってことではなくて、要はサラリーマンのことね。

きゅー:うーん。

中垣:サラリーマンって「標準化された人材として労働を提供するので報酬をください」っていう、自己実現…この言葉は嫌いやけど、それとは程遠いもののように思えるけど。もちろんそれはそれとしてサラリーマンは好きやけど。

きゅー:それで言うと、そもそも特に目的を意識して就職したわけではないってのはあるよ。普通に「何者かになりたい」って動機で就職してるし。

c 「したいこと」をめぐる問題

中垣:まあ確かに、それはそうやね。

きゅー:あとは何らかの分野で突出して専門性を得るみたいなことにも興味はある。

中垣:それは自己実現とはまた違うよね?

きゅー:うん。就職した当初の目的は、さっき言ったように「何者かになりたい」みたいなフワっとしたものだったけど、それが次第に「実績を残したい」みたいなものに変わってきてる

中垣:はいはい。

きゅー:一方、それとは全く別の「現在のこの環境がシンプルに嫌」みたいな感情が勝ってしまうと、今みたいなことになる。

中垣:あー、考える以前に身体が違和感を覚えてるってことか。それは辞めた方がいいっていうか、そういう人が辞めるんやろうな。

きゅー:うん。「今ここ」の不快感が無くて、フワッとしたキャリア的な目標も叶えられるような職場を求めている。

中垣:それは知らん。

みなと:笑

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2021年1月某日
某所

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