
横澤琴葉
ファッションデザイナー
中垣が大学時代にインターンでお世話になったブランド「kotohayokozawa」のデザイナー。
かつては手を動かして物を作ることが大好きだったのに、頭でっかちになり過ぎたせいで何も作れなくなってしまった中垣や松田にとって、多くを学ぶべき相手なのである。
中垣:
コトハ:そう言えばこないだ上がってた記事読んだけど、なんかヤバい服載ってたよね。
松田:あー、あのピンクのシャツですか?

コトハ:そうそう、ああいう服を着るときもあるの?
松田:別に普段は着ないですよ笑 あれはGYREのトレーディングミュージアムで、
コトハ:笑
買った理由にしてはクセが強過ぎる
松田:買ってからしばらくはハンガーにかけて眺めてるだけだったんですけど、今はバイブスが合ったときに着ることにしてます。
コトハ:でも似合いそうだよね。
中垣:
松田:似合ってたよ笑
中垣:まあこのシャツはさておき、
コトハ:めっちゃお洒落だよね、びっくりした。
中垣:一応高校のときはアントワープに行くって宣言してた男なんで笑
マルジェラやデムナらを輩出したアントワープの学生が着るリアルクローズは? – WWD JAPAN
コトハ:もう、
妬いた
中垣:下のアディジャもいいっすよね。
コトハ:やばいよねぇ。
デストロイド ニット プルオーバー – Maison Margiela
MAUI WOMEN’S FLIP FLOP – OKABASHI
中垣:ただ松田はこんな感じですけど、
コトハ:はいはい。
中垣:モードブランドのことも知識として多少は知ってるけど、なかなか普段の服と合わせにくいし、あとはモード服ってちょっと記号っぽいじゃないですか。
コトハ:そうだね。
中垣:それよりかは、
コトハ:はいはい。
中垣:モードだとどうしても
コトハ:うん。
What’s up man?
2012-13秋冬メンズコレクション THOM BROWNE – VOGUE
中垣:それでコトハさんは、モードっぽい服もすごく好きじゃないですか。そうしたときに、
コトハ:人によって様々だよね。言ってしまえばそれを買うことで心が満たされるって人もいるし、逆にバチバチな人もいるじゃん笑
松田:はいはい。
コトハ:まあそういうのもいいけど、私が本当にかっこいいなと思うのは
中垣:あー…
コトハ:それこそ90年代のパープルの、服装も普通でちょっと見切れちゃってるような写真なのに、
松田:あとは知らん、ね笑
コトハ:そういうのってかっこいいなぁって思う。
Purple Magazine(パープルマガジン)特集 – KOMIYAMA TOKYO
中垣:うーん…確かに聞いていてかっこいいなとは思うんですけど、
“““神々の遊び”””
コトハ:あー、それは確かにそうだね。
中垣:あくまでビジュアルに限って言えばモード服である必然性はないというか、やっぱり記号のゲームっていう印象なんですよね。
松田:うんうん。
中垣:
コトハ:バチバチモードな服着ててかっこいい人って、今あんまりいないんじゃない?
中垣:そうなんですか?
コトハ:いつの時代に何を着てるのかも含めてのファッションだから、時代は超重要だと思うのね。今バチバチにモードを着てても時代感がそうじゃないから、どうしてもダサいって思っちゃう。
松田:あー…
コトハ:日本で洋服文化が定着してから時間が経って、ハイブランドから安い古着まで何でも手に入るのが今じゃん?
中垣:はいはい。
コトハ:あとはさっきの芸人さんの話にも近いけど、かっこいい人の服をそのまま着ればいいってわけじゃないじゃん。
中垣:そうですね。
コトハ:そう。で、私は芸人さんがすごく好きなんだけど彼らの何が尊いかって、自分の生まれ持った見た目とか声の高さとかでやってるわけじゃん? そこと向き合っている人達だからこそ出てくるおもしろさみたいなものはあると思うのね。
中垣:確かに、確かにな。
コトハ:私はそういう人が好き。何かになろうとしている人はおもしろくない笑
Source: commmon
コトハ:自分の体型とか雰囲気が分かってて、それと服装がハマっているとかっこいいんであってさ。
松田:そうすると、
コトハ:うん、全然そうだと思う。
今日のおしゃれTips
モードじゃなくても全然いい
中垣:あとモードに関して思うのが…ドメのブランド、特にサカイとかファセッタズムみたいな
コトハ:ほう。
中垣:個人的にはモードって、まだ誰も知らないけど将来みんなが着るかもしれない服をつくるものだというか、
松田:はいはい。
中垣:で、
松田:うんうん。
中垣:だから例えばヴェトモンみたいな、
2015-16秋冬プレタポルテコレクション VETEMENTS – VOGUE
コトハ:そうだね、本当はそうあるべきだと思う。当時って遠くから見てもヴェトモンって分かったじゃん、そういう
中垣:そうですそうです。
コトハ:やっぱり、日本に洋服文化が定着してまだ日が浅いってのは大きいとは思う。日本ではつい最近まで和服を着ていたわけだけど、和服って代々着れるように大きめで作ってたり、シェイプが全くなかったりするじゃん。
中垣:はいはい。
浴衣とかもう、何買ってるのか分からなくなるよね
コトハ:だから
中垣:なるほどなぁ。
コトハ:それで、海外に出て行ってもシェイプじゃ勝てないから、いろんな要素の組み合わせで勝負するっていうのはあると思う。しかも
中垣:うーん。
松田:前に中垣がさ、日本と欧米のファッションの違いについて、
中垣:あー、うんうん。
松田:実際欧米と比べると顔も薄いしフィジカルも弱いし…となると、
中垣:うんうん。
松田:だから海外から見たときに、あれが新鮮に映るのも分かる気がする。
中垣:それで言うと、今月のポパイがスナップ特集だったんですけど、それを見ててもアメリカと日本の着こなしの違いってすごくあるなと思うんですよね。
コトハ:うんうん。

中垣:日本ってやっぱりミクロのゲームを極めた服装が多いんですけど、
松田:言われたらそれはジュエリーもそうで、アメリカのジュエリーって…例えばクロムハーツとかもそうですけど、日本人じゃ作れない形をしてるんですよね。
コトハ:どういうこと?
松田:クロムハーツはとにかくフィジカルが強くて、

ドメのゴス系ジュエリーはほんと全部ゴミ
コトハ:それは作れないってこと?
松田:技術的にはもちろん作れますけど…ここにこの厚さを持たせようとはならないと思うんですよね。
他にもSOPHIE BUHAIのイヤリングはそういう印象がありますし、ジャンルを変えてインディアンジュエリーでも、日本ではマルコ・ビゲイやハワード・ネルソン、あるいはペリー・ショーティーのスタンプ物がウケる一方、本国ではFTCとかの粗めのオールドスタイル、あるいはペリー・ショーティーでも厚みのあるチゼル物が人気だったりするじゃないですか。あとはドメのバイカー文脈でストップライトが人気だったりする感じも、逆説的に上の説明を補強する気がしますね。
中垣:なるほどね。
コトハ:でも顔や体型は変えられないからさ、私達が欧米っぽいファッションをそのまま楽しむのは難しいかもしれないけど、これからアジアが伸びてきたらいろいろ変わるかもしれないよね。
『STUDIO VOICE』vol.415, 株式会社INFASパブリケーションズ
中垣:熱量やばかったすね。
コトハ:
中垣:それもね、やってみたんすよ。逆にというか笑
コトハ:え、逆ってなに?
中垣:要は、「やっぱアメリカ人は奇抜な合わせが上手いなぁ…
コトハ:好きだよね、そういうの笑
松田:笑
中垣:たぶんですけど、スナップで登場してるイケてるデザイナーの人とかには「刷り上がったよ」って感じで郵送されてくると思うんですよ。
松田:はいはい。
中垣:それでページを開いてみて、アメリカ人のページは「I know…」ってなるんだけど、
コトハ:笑 でもそれはあるかもしれないね。
2021年1月23日
Aux Bacchanales 紀尾井町
この記事をお楽しみいただけた場合、ワンクリックで任意の金額から支援することができます。
このリンク先でカートに入れた商品は、その売り上げの一部が commmon に還元されます。
また「誰が、何を何と同時に購入したか」は完全に匿名化されており、「何がいくつ販売されたか」以上の情報をこちらから確認することはできなくなっています。ご安心ください。

Comme des Garçons Shirt FALL 2020 MENSWEAR – VOGUE RUNWAY