匿名:今も就活をやってるねんけどさ、
社長の超オキニだったのに、2年連続で卒業し損ねたせいで就職できなかったんだな
松田:はいはい。
匿名:今はそこを受けてて、だから
松田:あ、そんなちゃうんや?
中垣:まあテレビが高過ぎるって話やね。
松田:そうか、テレビってそんな高いんか。
匿名:だからキー局とその子会社やと、30代で手取り60万円と17万円みたいな、それくらいの差があるな。
松田:へー。
匿名:まあでもそこはさ、
ちょっとなんの話か分かんないです
松田:笑
匿名:だからそれはさておき、キー局って総合職での採用やから、面接でも「学生時代は何をしていましたか」みたいなことが聞かれるわけよ。
中垣:はいはい、いわゆるね。
匿名:それはまあもっともで、志望する側ではドラマ希望とかがあっても結局は総合職やから、人によっては河東みたいに営業とかもしたりするわけ。
松田:なるほどね。
匿名:やねんけど、
中垣:あー…
松田:はいはい。
匿名:
中垣:笑
glee/グリー (字幕版) シーズン1 – Prime Video
匿名:
松田:笑
匿名:ああいうのってなんなんやろうというか。あとおれは大学で演劇をやってたけど、
松田:へー。
匿名:なんか…
中垣:あー。
匿名:メタが何周もまわって自分の周りしか掘れなくなるというか…
中垣:あー、分かる分かる。自己言及以上の何かではないというか。
松田:なんなんそれ?
中垣:聴くと結構しんどくなるよ。
匿名:なんか今流行ってる曲やねんけど、全力で拗らせて四周目みたいな感じで…
中垣:そうやねん、分かる分かる。
匿名:
中垣:でもそこって繋がってんのかな。就活でのそれと、小劇場の裏側を題材にする感じと、『うっせぇわ』的な入れ子になり過ぎてる自己言及っていうのは、直観的になんとなくは繋がってるって感じなん?
匿名:なんか…繋がってる気はするねんな。みんなそんなに自分のことが好きなんかなというか、自分が特別やと思ってるんかなというか。
中垣:あー、はいはい。
匿名:なんか…例えばドラマのシナリオを考えてくださいって言われて、自分の身の回りだけで話をやろうとしても、射程が狭くなりそうじゃない?
松田:うん、それは分かるな。
匿名:もちろん、
松田:はいはい。
中垣:さっき言ってた
匿名:この一年でほんまによく見たのが…そもそも小劇場って脚本を書いて演出するのはだいたい一人で、その人が劇団の座長なり、まあトップなわけ。
松田:はいはい。
匿名:それでよく見たのは、
松田:そのまんまやん笑
匿名:でも、結構名が売れてる劇団でもそういうことをやってて。まじで去年一年で6本くらいそういうのを観てん。
中垣:へー。
匿名:友達に誘われて行って「またこれかよ」って感じ。一応おもしろかったよとは言うけどさ。
松田:笑
匿名:みんなコロナの自粛のせいでそういう病気にかかったんかなって感じやわ。
中垣:でもそれ、
匿名:あー、うんうん。そういう感じ。
中垣:ネタバラシ的というか…先人達が築き上げてきてくれたフォーマットみたいなものを、横からチラッとめくってる感じやんね。
匿名:うん。
中垣:でもそれは一回だけしかできないはずやし、しかも、今まで先人達によって積み重ねられてきたものをさらに一段高くするものでは決してないわけ。そういう意味では、
匿名:なんかさ、
松田:うんうん、なるほどね。
中垣:なんか…プライドないんかなというか、例えば岡崎体育なら、お前は音楽を愛してないの?とか思っちゃうね。
匿名:クリエイターとして自分を掘ることしかできないとさ、
中垣:うん、でもなんとなく分かってきた。これもうちょっと上手く言えそうやんな。何かを生み出す過程として自分を掘るっていうのは大いにあると思うねんけど、むしろアウトプットのフォーマット自体が自分を掘った何かであるっていうのがね…
匿名:そうそう。
中垣:なんかさ、
松田:あー、うんうん。
中垣:…というかあれや、腎臓を売るみたいなもんやと思うわ。その腎臓も含めた身体によってアウトプットすることが人間の価値なんだけど、一方その所与の資源にも一定の価値はあって…
松田:要はあれや、
中垣:あー、そうやね。あれもそうや、芸能人がYouTubeに参入するのもそれに近いと思う。
匿名:あー…
中垣:あれに関しては、
匿名:うん、おれもあれすげえ嫌い。
松田:これ分かった。ちょっと例が自分っていうのがもうアレやねんけど、そこはディスらず聞いてほしいとして…
匿名:笑
松田:例えばおれがね、実存的な問いのもと、自分はどうしても甘んじることができないとして大学を中退して、
わや
(関西方言。「わやく」から)①道理に合わないこと。乱暴なこと。無茶。浄瑠璃、生玉心中「さ程沢山な一歩を戻すまいとはそりや―ぢや」。「―を言う」
Source: 新村出編(2008)『広辞苑 第六版』岩波書店
②もろいこと。よわいこと。
③だめなこと。めちゃくちゃ。「―になる」
匿名:あー、それそれ。
松田:なんて言うか、みんなラベリングが早過ぎるよね。それがなんであれ現在とは完全に切り離されたアーカイブになってから、そこで初めて名前を付けたらええのにね。
明石:そうそう。
松田:なのにその途上で先に名前を付けちゃうから、そこから先はその名前の範囲でしか行動できなくなって、しかもその名前は社会へのポジショニングとしての側面が大きいのに、それに芯の部分から自己同一化してしまっていると。
太郎:名前を付けるのなら印象派とかロココ期とか、そういう感じであってほしいよね。
みなと:そうだね笑
太郎:モネが自分のプロフィールに「印象派」とか書いてたらおかしいじゃん。
Source: commmon
松田:そうじゃなくて、お前はその問いにきちんと向き合いきれよって話やねん。何を途中で売り払っとんねんと。
中垣:あー…うん、そうやんね。それで言うとほんまにイグジットっぽいというか、あまりに複雑化してあらゆるものがポテンシャルを持つマーケットの中では、何かを達成しなかったということに対しても
松田:うんうん。
中垣:でも、そこでの価値って言ってしまえばテスラの評価額みたいなもので、本来的にはテスラの車によって我々の生活がどれだけ豊かになるかが大事やのに、そこから乖離したところで価値っていうのが生まれるわけ。そういう意味でのバリューで商売してるのが、さっきから言っているようなものやと思うねんな。
テスラ株が初の11連騰 時価総額はトヨタ1社分増加 – 日本経済新聞
松田:あとは…さっきの腎臓の話、ある点において例えとしてまだ不十分やと思うねん。つまり、
中垣:うんうん。
松田:でも小劇団の内輪ネタはそうじゃないねん。そもそも演劇という文脈で、
人生は、未来に背中を向けて、後ずさりしていくことと似ている。未来は見ることができない。背中にぶつかるものが、非難の石つぶてなのか、会場を揺るがす声援なのか、未来に進み、目にすることができたときにやっとわかる。今は見えないものを信じられる者だけが、未来に向かって後ろ向きに進むことができる。見えないものを恐れる者は一歩も未来に進めない。
Source: 野矢茂樹編(2013)『子どもの難問』中央公論新社
イグジットしちゃうやつは、未来に向かって後ろ向きに進む勇気も信念もないんだよ
匿名:あー、それそれ。
松田:
c 富と名声の罠
中垣:いやー、それはほんまそうやんね。
匿名:うん。
歴史の干物、「時」の影ぼふしを随喜渇仰して居る人々は、「過去」に膠着して一歩も前進し能はぬのである。干物はどうしても蘇息せぬ、影ぼふしはどうしても自分で動き出し能はぬ。それ故、彼等には現在も未来もない、また主観を飛び越えるほどの元気もない。彼等はいつも過去の影を背負つて居るので、而してその影の重きに堪へ得ないので、過去をぬけ出て、現在にはひることが出来ぬ。ましてそれから未来への飛躍を試みんとする意気に至りては、露ほどもない。本当の歴史は飛躍の連続である、非連続の連続である。独尊者はいつも現在の刹那において過去から未来へ躍り出る。彼は現在の一刹那において黒暗暗の真只中を切り抜ける。此一飛躍の中で所謂る「過去の歴史」なるものが、溌剌たる生気を取り返すのである。独尊者の巨歩は実に此の如く堂堂たるものである。何ものの閑人ぞ、敢て彼を干乾しにはせんとする。又何ものの「現実」主義者ぞ、彼を「過去」の棺桶の中に封じ去らんとする。
Source: 鈴木大拙『時の流れ』
2021年4月7日
Clubhouse
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