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したいこと 人生 思索

必然性のあることに取り組もうな

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植竹:さっき松田がさ、それが今そこになければならない必然性…みたいなことを言ってたじゃん。相手のアクションに必然性を感じられるといいっていう話で。

松田:あー、うんうん。

中垣:ただひとつ思うのは、それに取り組んでいる主体が何かしらの意思なり確信を持ってやっていることが大事っていうのはあるかもね。

松田:まあそれはそうやな。彼なりの必然性、みたいなね。

中垣:それで言うとさ、これまでバルミューダを散々ディスってきてるけど、前にバルミューダのランタンみたいなのを見て、それの光量が可変式やってんけど、光量を絞ったら電球色になって明るくするにつれて白色になって…その匙加減がめっちゃ正しかってんな。

植竹:へー、なるほどな。

中垣:これは分かってやってるなと思って。しかもさ、そんなん別に誰も気にせえへんというか、明るさが変わりさえすれば文句言うやつなんていないわけやん。

松田:うんうん。

中垣:なのにちゃんと色温度が変わるようにしてるのは、これはちょっとえらいかもって思ったな。

松田:だからまあ、誰かしらが「これでないといけない」と思っているのが大事かもね。それが生産する側であれ消費する側であれ。

中垣:それはそうやね。

Source: commmon

c 大事なのは豊かさの総量を増やすこと

植竹:そこの整理がまだできてないんだけどさ、それこそ今日行ったところみたいに、例えば街にライブハウスがあるとしても、それが渋谷の koé の下である必要はなかったと思うんだよね

music&event – hotel koé tokyo

松田:はいはい。

植竹:別に…他に場所はいくらでもあるし、そこだからこその価値があるわけでもないし。

松田:うんうん。

植竹:だからそのライブハウスには特に必然性が無いなって思って…あとは例えば下北沢にでかいビルが建つとして、それにも必然性は感じないじゃん。

松田:あー、はいはい。

植竹:つまり逆にさ、どこかに何かしら商業施設みたいなものが建つとして、それに必然性を感じることってあるのかなって…

中垣:宮下やん。

c 宮下パーク、渋谷ストリーム、パルコ、スクランブルスクエア

植竹:それはどこから見てというか…つまり、これまで街にそういうものが欠けてたってことだよね?

中垣:あー…まあどの視点から見るかって話はあるやろうけど、今までの渋谷って落ち着きどころが少なくて、特にティーンにとってのここっていう場所がなかったと思うのね。要はあれは渋谷にイオンモールを爆誕させたってことやと思うねんけど…

植竹:はいはい。

まあね、任意の路肩に座り込んでホームを感じられる僕らには関係のない話なんですけどね

中垣:それであのフードコートにマックが入ってたりとか、座れるベンチが山ほどあるとか、綺麗なトイレと喫煙所があるとかっていうのが…

植竹:あー…

中垣:正直言っておれらにとってはどっちでもいいわけよ。でもたぶんティーンにとっては「とりあえずあそこに行っておけば何かある気がするし」っていう、それがすごい大事なんであって。

植竹:うんうん。

TikTokの「今ちょっと時間いいですか」系のマジシャンが宮下の屋上で動画撮ってるの、ほんと最高としか

中垣:まあ他にも細かいテクはいろいろとあるねんけど、とにかくあそこはすごいと思うよ。

植竹:まあそうか。ただなんか…「ここにはかつてこういうものがあった」みたいなノスタルジーなら分かるんだけど、「こうした方がいいよね」っていうのが自分の感覚としてはあまりなかったから。

中垣:それは街に関してってことやんね?

植竹:そうそう。でも今の話を聞いたら確かになとは思った。

c 東京の希望、阿佐ヶ谷

松田:あとちょっと思ったのは…例えばおれの場合、下北沢でビルが建つとしても、それがかつての猥雑でノスタルジーあふれる光景への明らかなアンチテーゼであって、そこに開発した会社の確信みたいなものを感じられたのであれば、個人的にそれがしっくりきていなかったとしても、それがそこに建ったこと自体は肯定できるというか。

中垣:あー、なるほどね。

植竹:はいはい…

松田今ここで言う必然性は、必ずしも客観的なものでも、自分が賛成できるものでなくてもいいってことやね

中垣:つまり、うちの親父が女装に目覚めてすごく生き生きしだしたら…

松田:あー、そうそう笑 そういうこと。

植竹:そういうことか、確かにな。

松田:だからほんまにモヤっとさせられるのは、「…いや、別にそれじゃなくてもよかったやん?」っていうようなやつやね。つまり中目黒みたいな服装の大学生より、中垣の父親の女装の方がよっぽど意味がある。

植竹:そういうことか。

中垣100人が80%満足する何かより、1人が100%満足するものの方が確実に意味があるよね。100%であることに、めちゃくちゃ意味があるねん。

植竹:うんうん。

松田:なんかさ、コンビニで何かを買ったらその売り上げが従業員とか生産者の給料になって…って話はほんまその通りで、だからこそしょうもないものを購いたくはないねん。しょうもないものにお金を払うっていうのは、そのしょうもないものを生産する人を世の中に生み出してるのと一緒やねんな。

太郎:あー、うんうん。

松田:しょうもないものにお金とか時間を割くっていうのは、その存在を肯定することに等しいわけ。カスみたいなキュレーションメディアを閲覧するっていうことは、そのカスみたいな記事を書いて内心しっくりきていない人のその気持ちを原理的に支えることになるわけ。

Source: commmon

c 社会を変えるんじゃないんだよ、お前が変わるんだよ

松田:それは、それを見ている人にとってありかなしかというよりは、それがバリエーションのひとつとして世界に存在することを肯定的に捉えられるかどうかの話であってね

植竹:なるほど確かにな。でも今の話を聞くと、なんか自分の中で指標的なものがなくなりかけるな。自分なのか他者なのか、どこに基準を置くのかがあやふやなままで何かを見ると、何も言えなくなるというか…

中垣:それは…どういう意味?

普通に分からなかった

植竹:「これは要らんなあ」って思っても、それがどこかの誰かに向けられているみたいなことを考えると…どんどんマイノリティに寄っていく気がして。

中垣:でも自分は要らんと思ってるんでしょ、じゃあ別になくてもいいんじゃない?

植竹:…まあそうか。

中垣:そこは同じくそう思っている人がいると信じてやるしかないし、そこがずれてたらそれは自分のセンスの問題で…まあしゃあないし、別に自分としては、それでもやっぱりいいと思ったんだから

植竹:うんうん。

中垣:そういう人って結構いるやん。それこそ世界最軽量の自転車のポンプを作ってるおっさんとか…そういう人だっているし、別にそれはそれでいいと思うねん。

松田:あー、彼はそうやね笑

iPump

植竹:てか世界最軽量の…って?

松田:なんかおれが赤坂に住んでたときね、ミッドタウンのスターバックスで知り合ったどっかの国出身のおっさんがいて。

植竹:はいはい。

松田:「腰を痛めてるから相席させてくれ」とか言ってきたのがきっかけやってんけどね。ほんで相席するだけやと思ったら、なんか自分の生い立ちを語り出して…それで「おれは発明家だ」って言うわけ。「日本の工作技術はすごい、だから今は日本にいる。台東区はすごい」みたいな。

カーボンのボディとピッタリ合うアルミのパーツを作るためには、誤差の大きいパンチングではだめで、CNC旋盤で削り出さなければいけないんだそうです。

植竹:笑

松田:そうやって自転車用の世界最軽量のポンプを作ってるって言ってて…みたいな人がいてん。でもその彼は、世界最軽量の何かを作っているにしてはすごくだらしない格好をしていたし、その後ミッドタウンの裏の公園の芝生で、ホームレスのように寝転んでるのを幾度となく目にしたっていう

中垣:笑

松田:ほんで彼の乗ってる自転車は、トップチューブの下の部分に、世界最軽量のポンプを宣伝する内容をプリントしてラミネートしたパネルみたいなのが貼られてた。

植竹:笑

松田:まあなんしか汚い感じの彼やったけど、でも世界最軽量のポンプを作っていて、彼としてはそのことに満足していそうではあってんな。それに後々調べてみると、外苑西の有名な自転車屋の…

中垣:なるしまフレンドか。あそこに置いてんの? すごいやん。

iPump
Image: なるしまフレンド

iPump FLOOR – なるしまフレンド

松田:あー、そうそう。ほんで…そうか、まあそういうのも全然肯定されるよねって話か

植竹:うんうん。

中垣:あとは研究者とかもそうやんね。

松田:うん、そうやんね。

中垣:mRNAワクチンだってさ、今まで「これはいけるぞ」って思って取り組んでても、別に世間的には誰にも知られることはなかったわけやん。

DNA・mRNA・ベクター… 多様なワクチンの違いは? – 日本経済新聞

mRNA、次世代薬けん引 コロナワクチンで一躍主役に – 日本経済新聞

松田:はいはい。

中垣:でも今やもうね? だから当たるかどうかなんて分からへんし、それはそのことに意義があるかとは全く別の話でしかないよね。本人的には、どうなるかはともかくそれをするしかないっていう。

植竹:確かに。

“You can’t connect the dots looking forward. You can only connect them looking backwards…You have to trust in something – your gut, destiny, life, karma, whatever – because believing that the dots will connect down the road will give you the confidence to follow your heart, even when it leads you off the well-worn path.”

― Steve Jobs

Source: goodreads

Quote by Steve Jobs – goodreads

松田:そうやね。だから…宿命づけられているくらいのものに取り組められればそれがいいし、他人がそうしているのを見ると、それはもう前判断的に受け入れざるを得ないと思えるというか

中垣:でもそういう意味で言ったら…これちょっとちゃう話かもしれへんねんけど、明らかにこれはおれが拾うべきだと思ってごみを拾うことがあったりするねんけど、それも結構そうな気がする。

植竹:うん。

中垣:だからおれはポイ捨てはしない。だって、もしおれがポイ捨てをすると、その瞬間にそれはおれが拾うべきごみだっていう判断になって…いやこれどういうこと?ってなっちゃうねん。

植竹:笑

松田:神によって中垣にアサインされてるごみやね。

中垣:そうそう笑 まあそれでも捨てたいときは捨てるけどね。

c ポイ捨ての是非を検討する

植竹:でもそれめちゃくちゃいいね。なんだろう、おれは何にそれ感じるかな。宿命づけられてるものか…

中垣高いところにあるものを取ってあげる

松田:笑

植竹:まあそういうことか。でも原状回復の思考はあっても、自分からしたらたまたまそこにあるような課題に取り組むっていう原理は…今はないかもな。

中垣:だからやっぱり、高いところにあるものを代わりに取ってあげることから始めないと。

松田:そこにこう…感じていかないとね。「そうかこれかぁ」って。

2021年5月23日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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iPump
HeaderImage: なるしまフレンド

世界最軽量の自転車用ポンプ、iPump MICRO。カーボン製のボディと削り出しのアルミパーツからなる本体は全長わずか13cmで、重量は21gまでに抑えられている。
空気を入れる際は本体に内蔵されているエアチューブを引き出して使用し、仏式、米式、英式の3種類のバルブに対応している。

iPump MICRO – なるしまフレンド