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Take Extreme Ownership

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中垣:なんか…まああんま詳細な話はせんけど、おれの彼女は育ってきた家庭環境がちょっとタフやってんな。それで「それが未だに自分に影響を与えていて〜」みたいなことを本人はちょいちょい言うのね。

松田:うんうん。

中垣:で、それは辛かったねとは思いながら、とは言えおれはそういうのに共感する能力が著しく低いから、「辛かったねって言ってほしいのなら、それは別の人に頼んだ方がいい」って言って。

松田:笑

中垣:友達の親が死んでも、別に悲しくない。そこで、もし自分の親が死んだら…とか考えだすとまあ悲しいけど、それはおれがおれとして悲しいだけであって、友達の境遇には別に関係ない。

Source: commmon

c 他人に共感ができなくて困っています

中垣:それでふと思ってんけど、過去に辛かった経験と前世に辛かった経験って何が違うん?

反語

松田:あー、分かる分かる。

中垣:もちろん「お前はそれほど辛かった経験がないからそんなことが言えるんだ」って言われたら、それはそうなのかもしれない。確かにない。

松田:ただその反論の仕方は既に間違ってるもんね。じゃあそんな話他人にすんなってなってくる。

同じ理由で自分の見た夢の話をする人が超嫌いです。夢を見た人にとってそのリアリティは100中100である一方、その話を聞かされる人にとっては、夢の内容がどうであれそのリアリティは「彼/彼女がそう言っている」以上のものにはなり得ません。そのためそれを話題にあげることは、全く不誠実であり非生産的です。

c ご飯はセックスと同じだと思う

中垣:なんて言うか…過去に辛かったことが思い出されていまだに辛いのであれば、それは今辛いねん。

松田:うんうん。

中垣:それは現在進行形の話やからまた別で…だから過去に辛かったって言うのであれば、それは言い出してもどうしようもないねん。じゃあもう一生じっとしてなさいよとしか言われへんねん。

松田:なんか…これはちょっと前から話したかったことやねんけど、何が原因かあるいは誰が原因か、何が悪かったかあるいは誰が悪かったか、これと、誰が責任を引き受けなければいけないかっていうのは全く別の話やねん

中垣:あー、うんうん。そうやんね。

松田:ここで言う責任を引き受けるっていうのは、引責辞任みたいなノリのやつじゃなくて、それを主体的に解決していかなければいけないのは誰かって話ね。

中垣:うんうん。

松田:つまりここで言いたいのは、自分が原因ではなくても、誰かのせいでそうなったのだとしても、その事態の責任を引き受けなければいけないのは自分やねん

I swear by my life and my love of it that I will never live for the sake of another man, nor ask another man to live for mine.

Source: Ayn Rand(2005)『Atlas Shrugged』Signet

Ayn Rand(2005)『Atlas Shrugged』Signet

中垣:そうやね、間違いない。その人しか責任を引き受けられないもんね。

c 苦しみの解決を外注しちゃいかんのです

松田:そう、誰も代わりにはなってくれないねん。でもそこさえきちんと切り分けられさえすれば、すごくエフェクティブに自分の人生に関わっていくことができるわけ。

中垣:うん。

When you grow up, you tend to get told the world is the way it is and your life is just to live your life inside the world. Try not to bash into the walls too much. Try to have a nice family life, have fun, save a little money.

That’s a very limited life. Life can be much broader once you discover one simple fact, and that is – everything around you that you call life, was made up by people that were no smarter than you. And you can change it, you can influence it, you can build your own things that other people can use.

The minute that you understand that you can poke life and actually something will, you know if you push in, something will pop out the other side, that you can change it, you can mold it. That’s maybe the most important thing. It’s to shake off this erroneous notion that life is there and you’re just gonna live in it, versus embrace it, change it, improve it, make your mark upon it.

I think that’s very important and however you learn that, once you learn it, you’ll want to change life and make it better, cause it’s kind of messed up, in a lot of ways. Once you learn that, you’ll never be the same again.

Source: Wikipedia

これが世界の真実ね

Think different – Wikipedia

松田:この話について最近考えていたきっかけやねんけど、Newsweekでちょっと前から広告がうたれていた本で、ネイビーシールズの元隊員が教えるリーダーシップみたいな感じのやつがあってんな。

中垣:はいはい。

松田:で、邦訳やとなんかそういうノリになっちゃってるねんけど、原題は『Extreme Ownership』やねん

中垣:すごいね笑

ジョッコ・ウィリンク(2021)『米海軍特殊部隊 伝説の指揮官に学ぶ究極のリーダーシップ』CCCメディアハウス
Image: Amazon.co.jp

ジョッコ・ウィリンク(2021)『米海軍特殊部隊 伝説の指揮官に学ぶ究極のリーダーシップ』CCCメディアハウス

松田:それでその本もそうやし、あとはその本の著者がTEDでしゃべってるのが結構おもしろいねん。

中垣:はいはい。

松田:その内容やねんけど、イラクでの体験について述べてるのね。イラクで自分がいる部隊が巻き込まれた大規模な戦闘が発生したんだけど、でもそれは、味方同士が相手を敵だと誤認した結果発生した戦闘やったらしいねん。

中垣:はいはい。

松田:その結果、負傷者はもちろん死者も出たと。そのことが判明して基地に撤収してんけど、なんしか結構な大事やから偉い人が事情を聞きにくるみたいな感じになったらしいねん。ほんでそれに対して、その彼が説明せんとあかんかったらしいねんな。

松田:ほんで彼もめちゃめちゃ考えたと。作戦立案から実行まで、様々な点で小さなミスが重なってた。ある時点でひとつのミスがあって、それは誰かしらの責任であり、また次のフェーズでは別のミスがあって、それもまた別の隊員に帰責されるべきものやったと

中垣:うんうん。

松田:そうやってうんうん考えてんけど、やはり違うなと思って、それで聞き取り調査が行われる部屋に行ってんな。そこには聞き取り調査をする上官の他に、自分の舞台の隊員とかがおった。それでその部屋で「誰のせいや」って聞いたらしい。

「誰のせいや」

中垣:はいはい。

松田:そしたら、手を挙げる隊員は一人だけでなくおったらしいねん。「ボス、私です。アイデンティファイを十分にせずに発砲しました」みたいにね。

松田:そういうのが何人かおったみたいやねんけど、その全員に対して「違う」って言ってんな。ほんで、その戦闘の場では自分が指揮官だったから、やはり全責任は自分にあると。その上で必要な対策と、それによって同じことは二度と起こさないことを説明したらしいねん

中垣:あー…

松田:そこに至るまでは、プライドもエゴも傷つくし…って考えてたみたいやねんけど、やはり誰かに責任があるとすれば、それは自分をおいて他にはいないと思ったと。それで結果としては丸く収まって、ある種の信頼も得られたって話やってんけどな。

中垣:うんうん。

松田:まあそれでじゃないねんけど…やっぱ確かにそうやなと思うわけ。確かにね、起こった事実を記述するんであれば、結果に対して原因を見出すことはできるわけよ。でもそれは、誰が事態を解決するかということとは全く別の話やねん。事態の解決は、原因が自ずから対策することで得られるものではないねん。

中垣:うん。

松田:ましてこと自分に関しては、全部自分でやらなあかんねん。それをもって、タイトルである『Extreme Ownership』なんやろうけどね。

中垣:なんかこう…そうやんね。

松田:やっぱ文句を言うのはおかしいねん。どんなに理不尽な環境でも、非効率な業務でも、そこにいる限りはなんとかせなあかんねん。その状況が自分以外のどういう原因によってもたらされたものであっても、するか、あるいは完全に辞めるかしかないねん。

中垣:そうやねん、それはほんまにそうやねん。

中垣:それでもうちょっと普通の話をするとさ、同期が100人くらいおるねんけど、中には研修の時点で会社の文句言ってるやつもいんの。まじで意味分からんなと思って。それって要は、会社が対象であって自分ではないわけやん。文句あるなら辞めるか、変えていくためになんかネゴるかしろよって。

藤後:そういう人って私の膜を会社にまで広げるのが怖いんじゃないかな。

中垣:怖いんやと思う。

松田:そうそう。だから基本的にはそうやねん、私の膜を世界の膜に寄せていくのは怖いわけ。責任を持たなければいけないことが増えるし、誰かのせいにできることは減るねんから。

ちさと:うんうん。

Source: commmon

c 二種類の認知の膜

松田:もしどうしても嫌ならば、その責任を引き受けない、それを自分の主題として選択しない自由はあるねん。

中垣:うん。

松田:ただ、やる以上は全部引き受けなあかんねん。まじで。

熱心にやるか辞めるかの二択、愚痴はなしです

中垣:7割まで引き受けて残りの3割は引き受けないみたいなことを許容してしまうと、残りの3割っていう部分が都合よく伸び縮みして言い訳になっちゃうもんね。

松田:そうそう。

c 「今持っているものは全て自分が獲得したものだっていう、そういう捉え返しをしようと思ってるねん」

中垣:そうなると、結局何も判断できなくなるもんね。常に情緒的になってしまうというか、何も達成できなくなってしまう。それを許容してしまうと、自分が何かを達成したと思えなくなるよね

松田:そうやねん。

――ただ、当時の加藤さんは、どんなときでも常に全力で仕事に取り組まれているイメージがありました。

加藤 やるからには絶対にそうです。やっぱり失礼のないように、目の前のことは仕事でも仕事じゃなくても、全部一生懸命やっていました。たぶん一個一個のエンジンの掛け方を知らないから、いきなり全力なんですよね。よく、「短距離走のスピードでマラソンを走ってるみたい」って言われてました。

――そこで6割、7割の力でやれていれば、と思うこともありますか?

加藤 それが出来れば良かったのかな。……でも、もし仮に7割でやっていたら、残りの3割は自分に嘘をついてるし、その3割によって、他のスタッフさんとか一緒に仕事をしている人にも失礼ですよね。人付き合いでもなんでもそうなんですが、0か100かの人間なんです。いい感じで脱力できないというか、「こなす」ということが嫌なんですね。

Source: 文春オンライン

「芸能界を辞めようと思っていました」人気絶頂でレギュラー降板…加藤晴彦が初めて明かす“20年前の真相” – 文春オンライン


中垣:なんか、小さいときに親父と「おれが人を殺したらどうなんの?」みたいな話をしたことがあってんな。

松田:はいはい。

中垣:そしたら「死刑になるけど、その前にわしがお前を殺す」って言ってたのね。え、すご…って感じやん。

松田:笑

中垣:それは嫌やなと思った。

松田:うん、でもさっきの話ってそういうことやんな。

2021年10月10日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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ジョッコ・ウィリンク
Image: ECHELON FRONT

JOCKO WILLINK – ECHELON FRONT