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思索

生々しさから距離をおいて客体として語るのはちゃうやん

4 years

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中垣:このあいだ河東と街歩いてたときにエコの話してたやん。あれってなんであの話になったんやっけ?

松田:あー、なんやったっけ。

中垣:たしかとんちゃん通りの辺りやったと思うねんけど…

松田:まあ自然の保護とか以前に、おれらも自然なんだぜって話ではあった。

いつも通りである

中垣:そうそう。patagonia…ではないよね、でもなんかの広告から始まったと思うねん。まあなんしかそれ系の話でさ、地球とかエコとかっていうのは客体として語れるものではないやんか。自分もそのエコロジーに包含されている以上、自分ももちろん自然だし…

みなと:うんうん。

「時」を空間的に翻訳して水の流れに喩へて見ると、何だか解つたやうでもあるが、その実、問題は益々迷路に入るの である。川上が過去で、川下が未来だと云ふことに見たいのであるが、「時」の未来なるものは、まだ出てこないのであるから、川の水を山の上からでも見るやうなわけに話することは出来ぬ。川と云へば、両岸に沿うて川床がある、その上を水が流れて、そこに「川」なるものが出来る。「時」にはそんな川岸も川床も考へられない。而して又吾等は「時」なるものを川のやうに、「時」そのものから離れて、それを「時」の岸から見るわけに行かぬ。「時」の岸に上って「時」の流れを見ると云ふときには、その「時」は現実性を失ってしまふ。なぜかと云ふに、吾等はいつも「時」そのものの中に居るのである。過去・現在・未来の三世に「時」を切ったり、またその外で「時」の流れなるものを一つの連続体として眺めると云ふことは、「時」そのものと、何等の関係をもたぬ抽象体の話をして居ると云ふことになるのである。

Source: 鈴木大拙『時の流れ』

自分から離れたところに時間を措定することの虚妄を喝破する名文です。Kindleならタダで読めますし、青空文庫にもあります。

鈴木大拙 『時の流れ』

中垣:だから、自分の住む世界をよくするっていう意味合いでエコ的なアクションをするのはまあいいんだけれど、それをスローガン的にしちゃうというか…「地球を守ろう」とか言うのはちゃんちゃらおかしくて。

松田:うんうん。

中垣:…で、確かそのときは海の話をしてたと思うねん。

松田:あ、思い出した、アディダスの靴や。「この靴で走って海を守ろう」みたいなやつやってんけど、正直あんまよく分からんかった笑

中垣:そうや。なんか靴を買って海洋ゴミを削減しようみたいな話やったね。

アディダス RUN FOR THE OCEANS
Image: commmon

#僕は自分のために走ります

RUN FOR THE OCEANS – adidas

みなと:そうなんだ笑

中垣:なんていうのかな、じゃあそいつは津波で家族が流されたらどう思うんかなというか…

みなと:笑

中垣:なんか…だって自分のペットとかではないわけやん。守るとかじゃないと思うねんな。

松田:うんうん。

中垣:もちろん普通の感覚としてね、そもそも海辺にゴミが落ちてるのは気持ち悪いし自分は捨てたくないし、落ちてたら拾うし、あるいはビニール袋も、無駄だと思う限りにおいては使わないわけ。

松田:うん、そらそうやんな。

みなと:うん。

c 「エコ」的なことへのみんなの疑問

中垣:でも、それは別に地球のためにとかじゃなくて、ナチュラルな感覚としてそうやってるねん。ただただジャストそれだけやと思うねん

松田:うん。

中垣:まあもちろんね、そうでもしないと人は動かないみたいな例の話はあるんだけれど、まあそれはそれやん。

みなと:そうだね。

明石:例えばですけどここ2〜3年、女性取締役がいないスタートアップは出資を受けられない、というような流れが急に出てきたんですよ。いずれ近いうちに、女性取締役を入れておかないといい感じに上場ができない、みたいな状況になるだろうとは僕自身ひしひしと感じていて。

中垣:はいはい。

明石:そうなったときに、じゃあ企業としてはフェミニズムないしジェンダーにまつわる様々な問題について関心が強いから女性取締役を増やしているかと言うと必ずしもそうではなくて、そうしないと投資が受けられないというディスインセンティブのもとにそうしているわけですよね。

中垣:いや、そうですよね。

明石:これはフェミニストや問題の当事者からすると不本意なことかもしれないけれど、やはり割合としては後者の方が多いはずなんですよ。だから結果として当初の想いのようなものは失われて経済のゲームに組み込まれてしまっているんだけど、でもそのやり方がジェンダーギャップの理解や課題解決に最も貢献するということのジレンマですね。

Source: commmon

c 社会を変えるのは制度でも信念でもない

中垣:で、それとはまた別の話として、前に 匿名 と話したとき、松田とおれは彼女周りで大変なことが多い中で、 匿名 はなんで彼女とそんなうまいことやれてんの?みたいな話が出てん。

みなと:はいはい。

松田:まあどちらかというとネガティブなニュアンスでね笑

中垣:だからつまり、彼女はこう扱っとけばええやろみたいな、そういうノリで付き合ってるんじゃないかってね。

みなと:あー、なるほど笑

c 愛の対象をめぐる問題

中垣:で、彼女の生々しさにきちんと向き合う我々はなんて誠実なんだって話なんだけど…そこで思ったのが、エコにしろ彼女との関係にしろ、目の前にある生々しさから距離をおいて、それを客体として語る態度みたいな、それにすごく違和感があるなって。自分的には、エコと彼女がそこですごいつながってん。

松田:あー…なるほど、確かにね。

中垣:まあさ、別によく言う話ではあると思うねん。うちの親父とかも「女は褒めとけばええねん」とか言うてて、おかんの話も適当に相槌を打ちながら聞き流してたりするのね…

松田:でもそれはちゃうよね。

中垣:まあ…そういう部分もあるんかもしれんけど、自分としてはそれはしたくないというか、それをし出すともう終わりやん? なんか、それをするくらいなら一人で荒野行動をする方が楽しいやん。

松田:笑

中垣:分かるかな…要はそれをゲームにしてしまうのなら、よりよくできたゲームは他にもあるからさ

みなと:あー、分かるわぁ。

松田:なんかそれで言うとさ…まあ人に説明するときはしゃあないねんけど、彼女のことを「彼女」って一般化するのがあんま好きじゃないねん。あるいは中垣とかみなとのことを「友達」とか言い出したら、それはなんかちゃうやん。それと一緒やねんな。

中垣:分かるわぁ。 ピー ちゃんって言いたいもん

みなと:笑 でもそうだね。

中垣:言い出したらさ、彼女って別に好きとかじゃない…って言うと語弊はあるねんけど、でも別にそういう話じゃないやん。

しかしある感情の価値をどうして決定するのか。 母にたいする彼の感情の価値は何が与えるのか。それは彼が母のために残るという、まさにその事実なのである。「僕はこれこれの金額を犠牲にするほどにある友達を愛している」と私はいいうる。しかしそういいうるのは、事実その行為をした場合のことである。私が母のそばに残ったとき、はじめて私は「母のそばに残るほどに母を愛している」ということができる。私がこの愛情の価値を決定しうるのは、まさに、この愛情を確認し限定する一つの行為をしたときである。ところが私は、自分の行為を正当化することをこの愛情に求めるのであるから、私は循環論のなかにまきこまれることになる。

Source: J-P・サルトル(1996)『実存主義とは何か』人文書院

J-P・サルトル(1996)『実存主義とは何か』人文書院

c やっていることが「したい」こと

c 「している限りにおいてそれがしたいこと」ってどういうこと?

松田:そう、そうそう。めっちゃ思うわ。あとは結婚とかもそんな感じじゃない? 「そんなん言われましても…」というか。

中垣:あー、そうやね。

みなと:それめちゃめちゃ分かるわ。その言葉によって指されている内容がよく分からないというか、君と僕との話なんだけど…っていう

松田:そうそう笑

みなと結婚したいって人が言うときに何のことを言ってるのか、本当によく分かんないな

中垣:ここでさ、ちょっとかのこの悪口になっちゃうねんけど…

松田:いいよ。

c 「かのこ」の記事一覧

中垣:そういう意味では彼女さ、結婚という言葉以前の、それに先立つ実態に基づいてパートナーを考えることが大事だとか言っときながらさ…

かのこ:…それで私は何が言いたいかというと、結婚という制度をよく考えたときにさ、まず現代において結婚で階級上昇をするなんてほとんど無理で、だいたいみんな同じ学歴の相手と結婚して、だいたいは共働きになるわけやん。

松田:はいはい。

かのこ:それで専業主婦/主夫に対する控除って、どちらかの年収が103万円以下じゃないと受けられないわけ。

松田:うんうん。

かのこ:だから結婚という制度のメリットは、夫婦のどちらかの年収が103万円以下のときにだけ生じるものなの。

みなと:なるほどね。

Source: commmon

c カノコちゃんに叱られる!

みなと:実際は完全に結婚側だよね。

松田:一枚めくったらもうね、VERY妻になりたい彼女がいるもんね

中垣:そうそう笑

VERYの読者、彼女らが信じている価値観とかのもっと手前の話として、四十路にもなってファインボーイズみたいなノリの指南書を必要としているあたりが好きじゃないです。

みなと:でも彼女と話してても、女性だから根付いてる結婚観みたいなのはある気はするわ

松田:し、それを一方的にディスるのもちゃう気はするよな。そういう適応への社会的な圧力は…まあ知らんけど、あるやろうし。

中垣:経験上はそんな気がするよね。

松田:だから少なくとも自分の彼女には…まあある程度寛容でいたいね。

寛容でいたい(吐血)

中垣:そうやね。でもなんなんやろうな…ほんまなんなんやろう、ツイッターって

みなと:笑

松田:まあそういうことではあるけど、ちょっと飛躍が過ぎるよ笑

中垣:リツイートとかニューズピックスのコメントとか、ほんまみんな何してるんやろ。

The Man Who Built The Retweet: “We Handed A Loaded Weapon To 4-Year-Olds” – BuzzFeed News

みなと:あー、でもニューズピックスのコメントは最近めっちゃ気になるようになっちゃった。

松田:笑

中垣:なんか前に仕事で一緒やった人やねんけど、その人は結婚をしてて、それで「恋愛もコンサルと一緒」みたいなクソみたいなことを言い出して…

みなと:なんかもうほんと…

中垣:「期待値をコントロールして~」みたいなこと言ってんの。

松田:きついなぁ笑

中垣:でもこれでむかつくのがさ、まあそいつはモテなさそうなやつやったからいいねんけど…じゃあ逆におれのその態度に対して、「ピュア過ぎる」「童貞臭い」みたいなディスが入ると、これはもうどうしようもないわけね

みなと:あー…

その手のチキンレースには乗らない、この勇気が大事やね(吐血)

c 市場原理の競走馬の話

中垣:どうしようもないねんけど…でもね?

みなと:そうなんだよね。人とこういう話をしてると、なんか恋愛っていう一般化されたフィールドの話になっちゃうというか、「いや、気持ち的にはこれは人間対人間の話なんだけどな…」みたいに思うよね。

松田:あー、うんうん。

中垣:そうなんよね。てかおれ、ペットが気持ち悪いっていうのはそれもあるかも。

松田:はいはい。

中垣:ずっと言ってるけどさ、おれペットが物なのか人なのかがよく分からないのよね。もし相手が人なら、多少むかついてもどこまでも向き合って、コミュニケーションをとって問題を解決しようと思えるねんけど、でもこれが物なら、むかついたら蹴飛ばすやん。

それはどうだろう

c 物を罰する話

松田:笑

中垣…で、ペットってどっち?って。でもおれ、ほんまにむかついたら窓から犬投げると思うねん。

みなと:でもなんか犬とか猫ならさ、窓から投げて初めて生まれるコミュニケーションがありそうな気もするけど。

それはどうだろう

中垣:まあ確かに感情はありそうやねんけど、でもそこまで複雑なコミュニケーションってやっぱできひんやん。

みなと:まあね、今日このあとどうしようとか言えないしね。

中垣:そうそう。あるいは、他のものならともかくこれは絶対に壊すなっていって大事なものを高いところに置いてたとして、それでも登ってきたら「ほんまなんやねんこいつ」って思うやん。

松田:笑

中垣:ペット飼ってる人のインスタとか見てたら「また花瓶割られた」とかあるねんで。おれはもうそれを見て拳を握り締めてるもんね

みなと:笑

2021年5月19日
Clubhouse

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