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【中編】究極の陽キャ、つまり世界の主人公

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前回からの続きです。

c 【前編】究極の陽キャ、つまり世界の主人公

中垣:あとはなんやろな…やっぱ強い心があればできるんじゃない?

松田:強い心か。

中垣:人になんと言われようとこれが好きって思えるし、別に特に反論もしないし、そのことで敵対的になることもなく、それもまたおもろいと思えるマインドというか。

松田:うんうん。

c 「好き」の不可侵性とワナビー

松田:それでもやっぱよく分かんないですけどね。基本的に僕は、何を言うにしても一般論としては話さないというか、どこまでも「僕はこう思う」という話し方しかしないわけですよ。

白濱:なるほどなるほど。

松田:だから…もちろんこれは原理的にはという話で、心情的には必ずしもそうではないですけど、でも僕が個人的にどう思っていようが、それが誰かの何かを損なうことはないわけですよ。そういう前提に立っているので、まあその前提が伝わるような話し方はしますし、相手がよほどあほじゃなければ、何を言ったところで関係がバグったりすることはないはずですけどね。

Source: commmon

c 競わない・揉めない・矛盾しない

中垣:まあでも…どうなんやろな、陽キャってすぐ殴るからな。

なつき:笑

松田:中垣の見てきた陽キャ、偏りがすごいな。

中垣:でもそれこそがって気もするな。嫌やと思った瞬間に「なんやねんお前」って言えなくなったら最後って感じもあるし

松田:うんうん。

中垣:笑 まあでも…やっぱり、長い目で見ると手を出すべきやったとは思うね。

松田:うん。あそこで手を出すことの妥当性は、少なくともその場で自分が思っていたよりははるかに大きかったね。

なつき:それは、自分的にしっくりくるためにってことだよね?

松田:そうそう。あれはおれにとっての『ファイト・クラブ』が始まるかどうかの分かれ道やったね。でも始められへんかったわ。

Source: commmon

c 【教えて舐達磨】おれはどうしたらよかったん?

中垣なつきくんは…どう思いますか?

なつき:なんか陽キャになれるのかって話だと、陰キャから陽キャになった成功例は普通にありそうだなって気はしたな。それこそ ピー とかそうなのかなと思った。

中垣:あー…おれもよく知らんな。

松田:まあ言いたいことは分からんではないけど、たぶん成功例ではないと思うで。偏狭なエゴ強いもん。

なつき:笑 まあでも比較的うまくいってるなって感じはあるじゃん。

松田:じゃあなつきはどうなん? 元は陽キャとかじゃなくて、生まれたときから陰キャ?

なつき:笑

松田:おれは生まれたときから陰キャやで。あとこれ話してて気づいたけど、躁は全然関係ないな。躁は躁やな。

中垣:そうやで。

躁だけにね!

松田:躁については持ち帰るわ。

中垣:し、別に躁じゃなかったとして、その松田は陰キャに寄るとかでもないで。

松田:それもそう。

中垣:それに…うーん、松田が陰キャなのかっていうのは難しくて、最近 ピー とか ピー と話すにつけて、おれら別にここまで陰キャじゃないぞって

松田:分かる分かる笑

中垣:おれも…小学校の高学年くらいでみんなに自我みたいなんが出てくるタイミングで、おれとお前っていうプロトコルが合わなくてちょっとつまずいたところはあったけど、その後も別に友達いないとかなかったしな。

松田:なんか花男でつくしがさ、「お金がないって言えるのはほんまもんの貧乏人じゃない。貧乏人が言ったら惨めになっちゃうから」みたいなこと言うててんけど。

中垣:あー…

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松田:だから陰キャって言うてるうちはマジもんではないし、これは陽キャもしかりやねん。うちの彼女は「なんで陰キャとか陽キャとか気にするん?」って、陽キャの最南端から言ってた

なつき:笑

松田:これまで自分のことを陽キャとして相対化する必要がなかったんやろうね。まあなんしか、言うてるってことは真ん中寄りではあるんやと思うな。

中垣:そうやんね。確かに行動の仕方でくくっちゃうと自分は陰キャになっちゃうと思う、別にクラブ楽しくないし。でも一方で、クラブでエンジョイしてるやつが必ずしも陽キャじゃないのも知っている。

松田:確かに。

中垣:ただ…やっぱタカとかを見てると、自分がすごく内向きなのは自覚するな

松田:あー、それはほんまそうやな。タカはもう会うたびにすごいと思う。周囲の人に対する関心の持ち方がおれのそれとは全然ちゃうもん。

中垣:うん、でも陽キャにはなれるんちゃうかな。

松田:おれもそう思うで。

中垣:ちょっと戻るけど、この話って結局は…自分を中心に世界が広がっていて、私と世界との間にボーダーがというよりは、私はそもそも原点でしかないっていうことやんね

松田:そうそう。

中垣:そこで言う、自分は原点でその内側には何も無いっていうのが結構不思議やねんけど…

松田:そう。確かにちょっと不思議やねんけど、でもあちらとこちらの対立がなくなれば、こちらには内側も何もないわけよ。ほんまに世界の原点でしかなくなるわけ。

白濱:でもさ、僕にとっての「ユーザーフレンドリー」は、松田にとっては「ユーザー+松田」フレンドリーってことだよね? それって公共とは違うの?

松田:いや、たぶんちょっと違う気がするんですよね。僕にとってのそれは「ユーザー+松田」フレンドリーじゃなく、「ユーザー+松田=松田」フレンドリーですね笑

白濱:笑

松田:で、いわゆる「公共」にはイコールの先の部分はないんですよね。僕が部分であり全体であるというのは、まさにそういう意味に他なりません。

Source: commmon

c 禅的公共観

中垣:ただそこで…なんやろ、別に目にできるものが全てっていう考え方ともまたちょっと違うやん。イビピーオ的な世界観ではないわけやん。

松田:なんやったっけそれ。

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中垣:そこにないものについては話さないやつ、あれではないわけやん。別に観念的な世界が否定されるわけじゃないやん。

松田:それはもちろんそうやな。

中垣:うーん…でもこれ結構大事な気がしててさ、知性によって硬直するみたいな話がある一方、とは言えわれわれは世界に対して無力では決してなくて、ニュートンは力学を記述できたわけやん。

松田:うんうん。

中垣そのときの知性って、すごくこう原点から伸びている感じがあるやん。でもそれがそうじゃなくなった瞬間、悪さをするようになるわけやん。

松田:せやな。

松田:つまり何かに自己同一化しちゃうと、それと背反なものである可能性っていうのは捨てることになるわけで、でもそれって自由自在じゃないというか…硬直しちゃってるよね?って。

なつき:はいはい。

松田:し、そういうふうに記号化された瞬間に実態から切り離されてしまい得るというか…それこそおれが「東大中退なんです~」とか言うてもさ、そんなん結構どうでもいいやん。そんなことより今日どんな服を着ていて、どんなことを話すのかの方がはるかに大事やん。

なつき:あー…

松田:ラベリングっていうのは結局、事実とは全く関係のない世界の話やからね。

Source: commmon

c 自分への興味を捨てることについて

中垣:科学的目線で世界を見るようにする…といいんかな。

松田:一般にそう言ってるやつ、まじでなんも分かってなさそうやけどな笑

中垣:笑 でも全てに対して「おもろい」しか思わへんっていうのはいいんじゃない?

松田:あー、それ間違いないな。

中垣:自分の悪口を言われても「おもろい」やねん、まあバグってるけどな。でも悲しみも「おもろい」やねん。

松田:うん、やっぱ偏狭な私の話として何かを内に持ち帰るからあかんねん

中垣:でもこれ言語体系書き換えな無理やで。世界の記述の仕方が全然違ってくるもん、今のままやと要らん言葉が多過ぎると思う。

松田:私じゃなくてここって感じになるよな。

中垣:うん、でも私って言葉は無いやろうね。悲しみはマイナスで喜びはプラスって感じでもなくなって、ただただ絶対値があるって感じ。悲しいのも、辛いご飯とかと一緒

松田:「おじいちゃん死んだ…刺激つよ」みたいな。

なつき:笑

松田:思うねんけどさ、なんでそこでいきなり主客の分離が起こっちゃってんの?ってとこやと思うねん。本質的に何かがつまらんっていうよりも、生身の自分から離れたところに「本当の自分」っていうのを措定しちゃったから起こっている問題やん。

中垣:そうそう。

松田:つまり今の自分とそれを取り巻く環境を客体として、それに本質的な問題があるかのように述べているけれども、もっと手前の段階で構造的な問題があるのであって…って話。辛いって言うてるお前は誰やねん?って。

中垣:あー、そう。そうやね。

河東:そうやねん。なんか話が変わってもうてて、たぶんその…辛いと思わしめてるのは辛いっていう地点から眺めてる自分であって。

中垣:そうそう、そやね。しかもそういうのって往々にして習慣化されちゃうやん、「辛いって思いがち」みたいな。

河東:なんか、悩んでるときは自分の中に自分が二人おって…みたいな話やんな。そもそもおらんでもええ二人目がおるから悩むことになるというか。

Source: commmon

c 「辛い」の構造的な欠陥

中垣:それでも悲しいものは悲しいし、涙は出るんだけど、それと私が私であることとは何も関係が無いというか…

松田:これはメタるとかでもないねんな。メタって下方に自分が見えてる時点で全然ちゃうのよ。

中垣:そうやんね。私が私であることが問われないっていうか…

松田:うん、でもすごいそういう感じやで。やっぱ圧倒的主人公に私はないねん。だからそれが脅かされたり、それを守ったりって話にはならへんねん

中垣:前に嶋田と話したとき、タクシーから車窓を見てる感じって言ったら納得してくれたやん。その感覚も似た感じなんやろうね。

松田:そうやんね。

c 公共が主題になる人と、自分が主題になる人

次回に続きます。

2022年5月8日
赤坂の部屋

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