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実効性のない「べき論」と、その人間らしさ

口だけの理想に意味は無い一方、とは言えそれだけで「べき論」を否定することもできない…commmonでは、そこにこそ見出せる人間性も擁護します。

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みなと:こう言われて失礼に感じたら申し訳ないんだけどさ、中垣って、社会人というかサラリーマンというかさ…

中垣:サラリーマンすよ、普通に笑

みなとやれてんの?

中垣:いやー…笑

ギリ

みなと:ごめんごめん笑 ちょっとうまく表現はできないんだけどさ。

中垣:なんかでもね、分かるよ。就職するって言ったとき、大学の友達とかにめっちゃびっくりされたみたいな、そういう話はあるねんけど…

みなと:今のところしっくりはきてる?

中垣:別になんか、どうしても嫌ってふうにはならへんな。

みなと:それはあれ? 自分がやってる仕事がミクロなレベルで「これおもしろいな」っていうこともあって、まあまあ、これはこれでよかったのかな、とかっていう感じ?

中垣:うーん…なんかそもそも、反骨精神みたいなんはそれ自体が趣味みたいなところもあって。だから案外、仕事は仕事としてきちっとやるんじゃないかってのはある気がする。

みなと:あー、なるほどね。

中垣:だって別に、大学も普通に卒業したし…

c 若いうちしかできない

みなと:確かにね、そうかもね。

中垣:なんか、松田とはそこが違う気がする。

みなと:そうね。松田は別になんか、反骨というか…

中垣:そう、生理的に無理っぽいよな

c 【助けてください大森さん】人生ドン詰まりなんですけど

みなと:確かにね。なんか中垣って、不登校とかにはあんまならなさそう。

中垣:それはならへんよ。だって学校大好きやもん。

西川:えー。

何の「えー」なん?

c 人生の意味ってなんなん

中垣:勉強は嫌いやけど、学校は超好きよ。

西川:なんでですか?

中垣:友達と話すのが楽しいから。人と一緒におるのが好きやもん

西川:へー。

中垣:なんか…コミュニティというか、社会がめっちゃ好きっていうのはあるな。

ジェイン・ジェイコブス(2010)『アメリカ大都市の死と生』鹿島出版会
Image: Amazon.co.jp

ジェイン・ジェイコブス(2010)『アメリカ大都市の死と生』鹿島出版会

みなと:例えば今の松田の状態を、中垣シナリオのひとつとしたらさ、中垣がそこからなんとかするのって…

中垣:無理、絶対無理。

松田も無理だよ…

みなと:そうだよな。

中垣:それもあるし…あとはなんやろうな、前に「ビッグ中垣」とか言ってたけどさ、別に自分がやりたいとかやりたくないとかに関係なく、「これをやるんじゃ」って言うビッグ中垣が現れてきて、そいつにやらされてるみたいな感覚があるときはあるねん。それこそ就活とかはそういう感じやったんけど…でも今はね、そういう感じでもないねんな

ビッグ天野ケータ
Screenshot: bokete

オレは、ビッグ天野ケータ – bokete

c 自分を過小評価してはいけない

みなと:「自分中垣」って感じ?

中垣:そう。いつも通りのこの感じで仕事してるし、あんまりそこのギャップみたいなのも感じていない。それに分からんけど…もちろん、おれにはコンサル業界っぽい働き方が合っていたというか、あまりそこに文句がなかったというのはあんねんけど、でも、そこが例えばみなとの会社とか河東の会社みたいな典型的な日本企業やったとしても、それが理由でサラリーマンが嫌になっていたかと言うと、それは別にそうでもない気がするねんな

c 【シリーズ】日系大企業の内部レポート 01

みなと:なんかさっきも聞いてて思ったんだけど、会社で働く上で、別に嫌なところは見つけようと思えば見つけられるし、別に言うは言うんだけど…っていう、そういうところない?

中垣:うん…いや、でもやっぱりそうなんやと思う。結局そういう趣味なんやと思うで

中垣:最近すごい思うのは…とは言え、まあ野望じゃないけど、一生この仕事をやりたくはないし、どこかで洋服の仕事やりたいなと、そういう気持ちはあるわけですよ。だからそういう意味で、いわゆるレールに乗っかるのは嫌というか、それ自体がやりたかったことだとは思わない。

みなと:うんうん。

中垣:って話は確かにある一方で、最近おれが反芻してる言葉に、「実効性を持たない、あるいは実効性を持たせるための何らかのアクションが伴わない「べき論」とか、口だけの「あーしたいこーしたい」はただの趣味だ」っていうのがあって。

c やっていることが「したい」こと

みなと:なるほどね。

中垣:それを自分に当てはめると、「仕事を辞めたい」は趣味だと。まあ…趣味とも言い切れないけど、それでもまだ辞めてないってことは結局…っていう。ただ個人の願望の話になると、なかなかそう単純でもないとは思うねんけど。

中垣:例えばこれが、社会に対するはたらきかけの意味での「べき論」やったら、これは完全に趣味やと思うねん。だから…まあなんでもいいねんけど、「安倍政権が〜」とか言ってるだけのやつとか、それはほんま趣味でしかないやん。

c 検察庁法改正に抗議するのはいいんだけどさ…

次郎:まあ趣味だね。

中垣:あるいはなんか、「男女差別が〜」って言ってるだけのやつとか、これも趣味なわけやん。

みなと:うんうん。

中垣それがなんで趣味なのかって、お前が頭の中で何か思っただけじゃ何も変わらんからやん。意味があるのは実際に何かを変えることだから。

楠木建(2014)『「好き嫌い」と経営』東洋経済新報社
Image: Amazon.co.jp

楠木 お洋服屋さんのなかには、自分たちの立ち位置がはっきりしていて、ファッショナブルでとがっていて、そのぶん規模はあまり大きくないところも数多くあります。そういうやり方に柳井さんは、あまり惹かれないのでしょうか。

柳井 全然惹かれませんね。昔は「とんがったものもいいな」と思っていましたが、それでは生き残れないでしょう。一部の人を対象にするより、あらゆる人を対象にする仕事のほうが、社会貢献につながります。一部のおしゃれな人を対象にしているのは、ビジネスではなくて趣味ですよ。

楠木 では、趣味と仕事の違いについては、どうお考えですか。

柳井 より多くの付加価値を生むか、より多くの人にいい影響を与えるかどうか。そこが仕事と趣味の分かれ目でしょう。やっている本人が満足する・しないというのはビジネスではないと思います。

Source: 楠木建(2014)『「好き嫌い」と経営』東洋経済新報社

楠木建(2014)『「好き嫌い」と経営』東洋経済新報社

中垣:でも例えば…おれが会社を辞めたいと思ったとします。で、辞めたいけど、実際今すぐに辞められるわけがないってなって、そこで考えるわけやん。自分の中での落としどころとか、どうしたら実際に辞められるとか。これはアクションは伴ってはないけど、でもまあ趣味でもないなと。

みなと:うんうん、そうね。辞めるってことに対して、今すぐの実効性を伴ってはないけど、実行し得るものにしようというか…

 c 「コンビニバイトすれば大丈夫だから」

中垣:まあでも、これ以上はちょっと綺麗に着地しなさそうやから、とりあえずはいいや。

中垣:なんしか最近、アクションを伴わない「べき論」とか、まじでただの趣味やなって思うねん

次郎:ほんとそうだよね笑

例えば飲み会終わった後にラーメンを食べたとして、で翌日になって、「いやー、飲み会の後のラーメンってダメだと思ってるねんけどなー」って言ってたとしたらさ、そいつの「ダメだと思ってる」ってなんなんってならへん? つまり、それが全く現実世界に反映されないんであればさ、お前の頭の中で行われている価値判断なんてなんの意味があるんだって、すごい思うねん。

Source: commmon

c みんなどんな人生にしたいの?

中垣:ただ、だから無意味だって言って切り捨てるのもそれはそれで痛いやん。そこに感じる人間らしさみたいなのもあるわけで。

次郎:いやー、そうなんだよ。

中垣:じゃあお前は何者なんですか?コスパで生きてんすか?みたいなさ。

確かにブランドもんなんてコスパで言ったらゴミやねんけど、でもそんなこと言い出したら、お前の人生のコスパはどうなるねんって話で。

Source: commmon

c ブランドビジネスとデザイヤー

みなと:笑

中垣:だから、言ったらそこにギャップがあるわけやんか。なんて言うのかな…大真面目な活動のふりをしている趣味みたいなのが、世の中に無数に蔓延ってるというか

次郎:本当に無数にあるね。

中垣:そこのギャップを突く産業ってのが世の中には存在していて、それで飯を食ってるのがホリエモンとかひろゆきなわけですよ。実はただの趣味なんだけど、でも真面目にそれをやってるふりをすることで成り立っているような、そういう、人間の余暇を潰すための偉大なる発明に食ってかかることを仕事にしているというか…

c AbemaTVのひろゆきとNewsPicksの落合陽一おもしろいぞ

次郎:それがひろゆきであり、日本共産党である笑

中垣:そうそう笑 そこにマジレスして、飯を食う人もいるわけ。

みなと:ホリエモンとか、確かにそういう感じだね。

中垣でもおれ、ホリエモンがめっちゃ嫌いなわけでもなくて、彼のその側面はあんまり好きになられへんというか、そんなことに人生の時間を使えないとは思う一方で、彼の好きな部分は別にあるわけ。

次郎:うん。おれもかなり似てるスタンスだわ。

中垣:彼の「人生の目標とかないし」「やりたいことやってるだけだし」みたいな辺りとか。

c 今日何をしたかが全て

次郎:一面で真実を語ってるところがあるんだよね。

中垣:あるある。やり方がひねくれてるだけであって、本人としては「でもやっぱおれのやり方が結構いいんじゃないかな」とは思ってる、みたいな。

次郎:そうそう笑

中垣自分の人生を生きているという意味では、かなり主体的に生きている人やから

みなと:そうねそうね。

次郎:「自分はこうしたい、なぜならこうだからだ」っていう筋は通ってるよね。

中垣:通ってる。

次郎:だがしかし、万人にそれが当てはまるみたいなスタンスでいられるとこっちとしてはちょっと困るんですけど…っていう話もあって。

中垣:そうそう、そこはホリエモン小さいなって。彼が普段相手にしてる雑魚どもは無視して、もっと突き抜けたところであっと言わせるようなことをしてほしいのに、細々とした人達を相手にしてさ…

次郎:なんかNewsPicks見てると分かると思うんだけど、他の起業家のプロピッカーとかから「お前は会社作れよ」って突っ込まれてるんだよね。いや、それは本当にそうだなって思うんだけど、それはもうあえてしないんだろうね。

中垣:そういうマーケットって確実にあるわけで、その点NewsPicksって結構危ういところがあって…

次郎:そうそう笑

中垣:そのマーケットに片足を突っ込みつつ半分は良心で、みたいな。半分くらいセミナーチックやからね

2020年10月16日
Aux Bacchanales 紀尾井町

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